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社説:人権擁護法 救済の法律は必要だ (朝日 2005/07/28)
人権の侵害を、どのようにして救済するか。その手続きを定める人権擁護法案が今国会に提出される予定だったが、自民党は見送る方針を決めた。 私たちはこの法案に問題があることを指摘してきた。 ひとつは、新たにつくられる人権委員会が法務省の外局とされたことだ。刑務所や入国管理施設など法務省が管轄しているところでの人権侵害が指摘されるのに、身内に厳しく対処できるだろうか。 もうひとつは、メディアの取材による被害も救済の対象としたことだ。取材のあり方を行政機関が決めることになり、表現・報道の自由を侵しかねない。 しかし、差別や虐待に苦しむ人たちをすばやく救済する仕組みや、それを保障する法律は必要である。私たちは、問題のある条文を修正したうえで、法案の成立を急ぐべきだと主張してきた。 そうした修正のために法案提出を見送ったというのなら、自民党の方針を理解できなくもない。しかし、今回の見送りは、まったく別の問題をめぐって党内の議論が紛糾し、まとまらなかったのが理由だ。 法案では、各市町村で人権擁護委員が委嘱され、相談や調査・救済の実務に当たる。その委員に外国人がなれるのは問題だ、などの意見が急に噴き出した。 朝鮮総連や部落解放同盟の名を挙げ、特定の国や団体の影響が強まるのではないかという批判も相次いだ。人権擁護委員から外国人を締め出すため、国籍条項を加えるよう求める声も高まった。 だが、心配のしすぎではないか。 今も続く部落差別をなくすことが、この法案の原点だ。部落解放に取り組む人が人権擁護委員に就くことを、この法案は想定している。 国連規約人権委員会は98年、入国管理職員や警察官らによる人権侵害を扱う独立機関をつくるよう、日本に勧告した。この勧告も法案につながった。外国人への差別や虐待も救済しようという法案である。委員の中に少数の外国人が加わるのは自然なことだろう。 そもそも、新しい人権擁護委員は市町村長の推薦を受けて委嘱される。その活動は、国会の同意を受けて首相が任命する中央の人権委員会が監督する。 そんな仕組みで運営されるのに、特定の団体が委員の多数を占めたり、牛耳ったりすることが起こり得るだろうか。短絡的にすぎるのではないか。 法案に問題がないかどうか、党内で事前に論議するのは結構だ。だが、人権にかかわる大事な法案が、的はずれの意見にとらわれて提出できないようでは、政権党としての度量と責任が問われる。 人権侵害に苦しむ人びとは、救済の法律を待ち望んでいる。自民党は、なによりもこの現実に目を向けるべきだ。 法案の最大の問題は、人権委員会の独立性とメディア規制である。広範な支持を得て法案を成立させるために、政府はこの修正をためらってはいけない。 社説:人権擁護法案 危うさはらむ法規制はご免だ (毎日 2005/07/27朝刊) 自民党は25日、人権擁護法案の今国会提出を見送る方針を決めた。 党内調整が難航し、今国会の会期内に成立する見込みがなくなったためだ。提出を強行すれば、郵政民営化法案の参院審議に悪影響を及ぼしかねないという危惧(きぐ)もあっただろう。 そもそも重大な欠陥を抱えた法案である。無理やり提出しても、改めて反発を浴びるだけだ。党内反対派の説得もできなかった。党執行部としては提出を断念するしかなかった。 人権擁護法案は02年の通常国会に提出されたが、メディア規制の条項が世論の強い批判を浴びて廃案となった。ところが今年2月に与党の人権問題等に関する懇話会(座長・古賀誠自民党元幹事長)が突如、法案を再提出する方針を明らかにした。 しかも、問題のメディア規制条項を凍結するという奇策をろうしてだ。凍結すればメディア規制にはならないというが、新たな法律を制定すれば凍結は解除できる。まずはメディア側をけん制しようという姑息(こそく)なやり方だ。 人権救済機関である人権委員会を法務省の外局としたことや、裁判所の令状なしに立ち入り検査できるなどの人権委員会の強い権限は、旧法案の懸念材料をそっくり引き継いだ。 旧法案のケースと同様に、日本新聞協会や日本民間放送連盟が声明を出すなど、こぞって反発したのは当然である。 加えて自民党内の反対派グループ「真の人権擁護を考える懇談会」(平沼赳夫会長)が法案提出に強くブレーキをかけた。考える会は法案の人権侵害の定義のうち「その他の人権を侵害する行為」があいまいだと批判した。「その他」は解釈を拡大できる。マスコミ側がメディア規制条項の削除を求めたのに対し、考える会は別の角度から法案の問題点を突いた。 法案の趣旨とは裏腹に、あいまいな定義が人権を侵害する危険性を内包することを指摘した意味は大きい。法案は運用次第で言論の自由を妨げるだけでなく、政治活動まで規制しかねないのだ。 考える会は朝鮮総連を念頭に人権擁護委員の採用には国籍条項を要件にすべきだと主張した。国籍条項には異論もあるが、ある種の政治力によって人権擁護の仕方がねじ曲げられる恐れがあるのは事実だろう。 人権を擁護するための法整備自体を否定するつもりはない。 だが、法案が想定する「人権」の範囲は余りにも広い。人権侵害を法規制する場合は、新たな人権侵害を引き起こさないよう公権力にきちんと歯止めをかけることが基本であり、先決のはずだ。その点でも法案は本末転倒である。 問題を指摘された刑務所や外国人収容所など拘禁施設での人権侵害を防ぐ法的手立てを優先すべきではないか。 人権擁護法案は今回、実質的に2度目の「ノー」を突き付けられた。このような法案なら与党は今後も提出すべきではない。危うさをはらんだ法案はご免だ。 社説:[人権擁護法案]「やはり一から作り直すべきだ」 (読売 2005/07/25朝刊) 会期末まで残り少ない今国会に、これほど問題点の多い法案を無理に提出する意味は、もうないだろう。 人権擁護法案については、自民党内でもまだ、意見集約ができていない。郵政民営化関連法案が順調に成立した場合、速やかに党内で法案了承手続きを進め、国会提出を目指す動きもあるが、取りやめるべきである。 党内の反対派議員でつくる「真の人権擁護を考える懇談会」は、これまで法案の様々な問題点を指摘し、法務省などに条文の修正を迫ってきた。 法案の問題点の一つは、人権侵害の定義があいまいなことである。 「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」とされている。だが、この規定では、例えば拉致事件に関し、在日本朝鮮人総連合会の活動を批判する政治家の発言なども、「差別的言動」として「その他の人権侵害行為」に該当する、とされかねない。 現に発生した人権侵害による被害だけでなく、これから発生する「おそれのある」ものまでが対象とされている。自由な言論・表現活動を委縮させる結果につながる恐れが大きい。 二つ目は、法務省の外局に置かれる人権委員会の権限が強大すぎることだ。 「特別救済手続」と称して、裁判所の令状なしに、関係者に出頭を求め、質問することができる。関係書類を提出させたり、関係場所に立ち入ったりすることも可能だ。 正当な理由なく拒めば、過料が科される。これも運用次第では、言論・表現活動の場に、「弾圧」にも等しい権力機関の介入を招き、調査される側の人権が不当に侵される恐れがある。 三つ目は、地域社会の人権問題に携わる人権擁護委員の選任資格の問題だ。法案には、現行の人権擁護委員法にある国籍条項がなく、外国人も委員になることができる。 懸念されるのは、朝鮮総連など特定の団体の関係者が人権擁護委員になり、自分たちに批判的な政治家や報道内容について調査し、人権委員会に“告発”するようなケースだ。 懇談会は、人権侵害の定義の明確化、人権委員会の権限抑制、国籍条項の導入などを求めた。法務省は一部を除き、根本的修正にはほとんど応じなかった。 真に、かつ迅速に救済が図られるべき人権を守り、一方で、新たな人権侵害を生む余地のない法案を目指すべきだ。 そのためには、一から作り直すしかないだろう。拙速な国会提出に、これ以上こだわるべきではない。 ♪ 数年前、マスコミが人権擁護法案にいっせいに反対する中、政府よりの「修正案」を出して大ヒンシュクを買ったのは読売ではなかったか。それを、なにが「一から作り直すしかないだろう」だ。読売論説委員のあまりの自民党(右派)ベッタリぶり、凄まじい健忘症には呆れる。 人権擁護法案についてのニュース
by alfayoko2005
| 2005-07-30 08:30
| 国内政治
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