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子育て環境『後進国』 (東京 2005/09/24朝刊)
「女性の社会進出は出生率の低下を招く」という考え方が根強いが、日本は女性の就業は進まず、少子化だけが急激に進んでいることが、政府の男女共同参画会議の報告書から分かった。働きながら子育てができる体制の国際比較では最低レベル。環境整備の遅れが浮き彫りとなった。 (生活部・岩岡千景) ■報告書 報告書をまとめたのは、政府が昨年十月に設置した「少子化と男女共同参画に関する専門調査会」(会長・佐藤博樹東大教授)。経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、一人当たりの国内総生産(GDP)が一万ドル以上の二十四カ国の女性の就業と出生率の関係を調べた。 女性の十五歳から六十四歳までの労働者人口の割合を示す労働力率を、日本と米国、フィンランドで比較すると、日本以外は伸び続け、二〇〇〇年には70%を超えている。だが、日本は一九七〇年の54・4%から三十年間で5・2ポイント伸びたにすぎず、上昇幅は二十四カ国で最も小さい。 一人の女性が生涯に産む子どもの数を示した合計特殊出生率はどうか。七〇年代には三カ国とも低下したが、日本以外は八〇年代半ばに上昇に転じている。日本は低下し続け、昨年は一・二九と過去最低を更新した。 佐藤教授は「日本は女性の社会進出が進まない一方で、少子化が進んでいる」と指摘する。 働く女性が増えながら出生率を回復した国はほかに、ノルウェーやデンマーク、オランダなどがある。回復の背景には、「八〇年代以降に子育てしながら働きやすい社会の仕組みができたことがある」と佐藤教授。 一方、子育て環境の国際比較を見ると、日本の円が小さいのが分かる。これは、子育てに必要な施策や制度、価値観の十項目を比較したもので、円の形が丸く大きいほど、良好な社会環境が整っていることを表す。日本は、社会の安全度以外は平均値の五〇を大きく下回り、スコア平均三八・一は二十四カ国中、最低だった。 ■当事者 この報告書を働く女性はどう受け止めるのか。 四歳男児を持つ会社員、柏浦典子さん(40)=川崎市=は「女性がバリバリ働く印象の米国とも出生率に差があるのには驚いた。今後、増税で家計も圧迫されると、ますます欲しくても産めなくなる」と話す。 七歳男児を抱え、外資系企業で働く岩城昌子さん(47)=東京都世田谷区=も「調査通りの子育て環境のお粗末さを日々実感している」と言う。 三人目の出産を控え、会社から促されて仕事を辞めた上川由佳さん(29)=川崎市=は「子どもが三人だとお金がかかるので職を探さないといけないが、仕事の継続や再就職はしにくい」と嘆く。 東京都町田市のファミリーサポートセンター職員で、小一女児を持つ高橋優子さん(37)は「子どもが病気でも、会社を休んだり、早退したりしにくいという話をよく聞く。一番大事なのは、企業の取り組みと社会の雰囲気づくり」と訴える。 佐藤教授によると、働く女性の出産を後押しする要素は、第一子では職場が子育てを両立できる環境にあること。第二子では夫や家族、地域の協力。第三子では経済力があり、教育費などを負担できることという。 佐藤教授は「報告書は支援策を総合的に進める必要性を示すが、まず子育てしながら働きやすい環境を。女性も男性も、子育て中に限らず短時間労働できるなど、生活と仕事を両立させられる仕組みが必要」と語る。 国際基督教大の八代尚宏教授(経済学)は「日本の雇用慣行の背景には『夫は仕事、妻は家事や子育て』という役割分担意識があり、企業は社員を家族ぐるみ雇っているとの前提で、長時間労働や転勤を当然としてきた。こうした雇用慣行では、働く女性は子どもを産みにくい。労働環境の構造的な変革が求められている」と話している。
by alfayoko2005
| 2005-09-24 08:45
| ジェンダー・セックス
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