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保守派超エリート 米最高裁新長官ロバーツ氏 (東京 2005/10/02朝刊)
第十七代米連邦最高裁長官に五十歳のジョン・ロバーツ氏が就任した。世界を動かす米国の政治や価値観の行方にも、巨大な影響力を持つ司法権の最高峰。引退か死亡のときまで、今後何十年もその座に君臨する可能性があるロバーツ氏とは一体どんな人物か。若き長官に託された米司法の新たな針路を展望した。 (ワシントン・小栗康之) ■華やかな経歴 一九五五年、米ニューヨーク州の裕福な鉄鋼会社重役の家に生まれた。高校では、アメリカンフットボール部の主将を務め、レスリング、聖歌隊、演劇、学校新聞づくりと文武両道に幅広く活躍。七六年、名門ハーバード大法学部に飛び級で二年生から入り、ロースクール(法科大学院)に進むと、権威ある法律学術雑誌「ハーバード・ロー・レビュー」の編集長にも。その経歴はまさに万人が抱く「理想」の学生時代だった。 卒業後は、自身がその職を引き継ぐことになったレンキスト前長官(保守派)の最高裁判事時代など、何人かの判事たちの書記を歴任した。名門法律事務所の共同経営にも携わり、法律家としてのキャリアを積む一方で、八二年にはレーガン政権の法律顧問補、八九年、先代ブッシュ政権で司法省入りと、共和党政権との関係も着々と深めていった。 ■中絶否定発言 連邦最高裁の判決は、長官・判事合わせて九人の多数決で下される場合もある。共和党系の「保守派」と、民主党系の「リベラル派」の勢力構成が大きなカギを握る。 共和党政権を通じ、保守的な考え方を支柱にスーパーエリートの階段を駆け上ったロバーツ氏。その発言にはこれまで、保守派としての強い自信がにじみ出ていた。 女性の妊娠中絶を合法化した七三年の「ロー対ウェイド」判決について、「間違った判決であり、覆されるべきだと信じ続けている」(九一年)と発言。中絶を禁じるカトリックの影響もうかがえる。 黒人への優遇措置見直しについては「もっと厳格に運用されるべきだ」(九五年)と発言。米紙ワシントン・ポストはこの発言と、ロバーツ氏が白人の多いインディアナ州郊外で育ったこととの関係を指摘した。 こうしたロバーツ氏の姿勢に加え、連邦最高裁では、先に引退表明した中道派のサンドラ・オコーナー氏の後任に、ブッシュ大統領が保守派の人物を指名するのは確実。これで九人の勢力構成は保守派四人、中道派一人、リベラル派四人となり、保守派の勢いが一段と増す流れだ。 ■まず「安楽死」 この保守派増勢の流れを見越しながらも、ロバーツ氏承認をめぐる連邦上院の採決で、民主党議員はほぼ半数が賛成に回った。あえて敵に塩を送るような民主党の行動は、公聴会でのロバーツ氏の巧みな答弁とも無関係ではない。 「私は政治的イデオロギーで判断しない」。党派色を封印しながら、過去の保守的な発言についても「最高裁の過去の判決は尊重する」「当時の立場での発言」などとシッポをつかませず、一部の民主党議員を信用させることに成功した。 二十九日の宣誓式でロバーツ氏は「まず、(式に証人として立ち会った)最高裁のジョン・スティーブンス判事に感謝したい」と述べ、指名者のブッシュ大統領より先にリベラル派の判事に謝辞を贈る配慮もみせた。 ロバーツ氏の五十歳は、一八〇一年に四十五歳で就任したジョン・マーシャル長官以降で最も若い。三日に再開する連邦最高裁の審議では、保守、リベラルで国論を二分する安楽死問題も取り上げられる。巧言の最年少長官の今後を見通す「本音」が、ここでかいま見えるかもしれない。
by alfayoko2005
| 2005-10-02 08:48
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