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共和党「本家」争い穏健派挑む(地球回覧)2005/11/13, , 日本経済新聞 朝刊, 5ページ
側近の起訴など災難だらけのブッシュ大統領だが、その中でも一番こたえたのは身内の反乱だったかもしれない。 「中絶反対など保守的な信念が明確でない」。そんな理由で大統領が指名した最高裁判事候補に不適任の烙印(らくいん)を押したのは、共和党の中でも宗教や道徳上の価値に重きを置く社会的保守派だ。猛反対に抗しきれず、大統領は指名撤回に追い込まれた。 野党でなく与党が大統領の最高裁判事指名に反対するのは異例だ。大統領の求心力低下を示すと同時に、社会的保守派がいかに強い力を持つかも改めて浮き彫りにした。 社会的保守派の影響力は様々な形で政策や社会に及んでいる。難病対策として期待される胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究への国の支援は「受精時から人の生命は始まる」と強調する保守派の反対で足踏みしている。進化論を否定する理論を子供に教えるべきだとするのもこの勢力だ。今春、一女性の尊厳死を認めるべきでないとキャンペーンを張り、米議会で延命を促す法律を成立させたのも彼らである。 社会的保守派のお墨付きがないと共和党から立候補できない地域も増えた。中絶や同性結婚反対に気乗り薄な人には容赦なく「RINO(リパブリカン・イン・ネーム・オンリー=名前だけの共和党員)」とのレッテルが張られる。影響力の源は草の根の巨大な動員力で、ブッシュ大統領もその後ろ盾で当選した。 だが、社会的保守派の影響力拡大に懸念を示す声もここへきて共和党内に広がり始めた。 「このままでは二〇〇八年の大統領選挙は危ない」。こう語気を強めるのはホイットマン元ニュージャージー州知事(一期目のブッシュ政権で環境保護局長官)だ。 「共和党の価値を狭く定義しようとする人たちの言うことばかり聞いていたら、多くの国民からそっぽを向かれる」 「党の伝統は個人の意思を尊重し、個人を勇気づけること。排他的な主張とは相いれない。財政均衡や環境保護などの伝統も忘れられている」 共和党一家に育ったホイットマン氏は『イッツ・マイ・パーティー・トゥー(私の党でもある)』と題した本を今年初めに出版。ブッシュ政権の社会的保守派への依存に初めて警鐘を鳴らしたものとして話題を呼んだ。 穏健派による地道な草の根活動も始まった。 その一つ、リパブリカン・メーンストリート・パートナーシップはこの一年で十三州に支部を結成。穏健派の議員候補の発掘や、各州の共和党綱領から宗教色の強い項目を除外する運動を繰り広げる。「活動資金が予想以上に集まるなど手応えは十分。多数派である穏健派に支持される共和党にしたい」とレズニック事務局長は意気込む。 次期大統領選の共和党候補として穏健派が期待するのはマケイン上院議員(アリゾナ州)やジュリアーニ前ニューヨーク市長。マケイン氏は米収容所での虐待禁止法制化など政権と一線を画す活動を始めた。一方、社会的保守派は中絶や同性婚反対の姿勢が鮮明なブラウンバック上院議員(カンザス州)やサントラム上院議員(ペンシルベニア州)に期待を寄せる。 どちらの勢力が共和党の主流になるかは日本にとっても無縁ではない。社会的保守派は外交でも道徳を重視、宗教の自由確保や民主化を要求する傾向が強い。経済政策は明確には分かれないが、社会的保守派は減税重視、穏健派は財政均衡重視という色合いがある。次期大統領選では民主党対共和党だけでなく、共和党内の「本家争い」からも目が離せない。 (ワシントン支局長 実哲也)
by alfayoko2005
| 2005-11-13 08:42
| バックラッシュ
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