カテゴリ
お知らせ トランス LGB(TIQ) HIV/AIDS 米政治 国内政治 ジェンダー・セックス バックラッシュ Books Movies Theatres TV & Radio Music Others Opinions 以前の記事
2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 検索
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
読売2006. 04. 09
[24時]「性同一性障害」の苦悩 厳しすぎる特例法の条件=愛知 中部朝刊 名市内 ◆生活実態支援の改正法を 「いいかげんにしてくださいよ。理解できない行動してんじゃないよ!」 岐阜県羽島市の会社員水野淳子(あつこ)さん(45)はこう言われ、涙がこぼれた。二男・渓(けい)君(12)が所属する少年野球のコーチらが自宅にやってきてしっ責したのである。昨夏のことだ。 野球チームは、選手の父親が監督やコーチ、母親は救護、お茶担当という役割が決まっていた。水野さんは試合のたびに駆けつけ、けがをした子供の手当てをしたり、お茶を出したりしていた。コーチたちは、それをなじったのだ。 □ ■ ■ 水野さんは、心と体の性が一致しない「性同一性障害者」で、性別適合手術で治療を受けた「女性」である。戸籍の名前を変え、2人の子供から「お母さん」と慕われているが、戸籍の性別欄だけは現在も男性のままだ。 「性同一性障害は、病気なのに、誰も認めてくれない。現在の法律や国の考えでは、私たち親子には本当の幸せが訪れないんです」 専門家はこうした障害者について、「常に着ぐるみを着ているような状態だ。間違った着ぐるみをつけているのだから、本人の戸惑いは計り知れない」と説明する。 水野さんも違和感を覚えながら青春時代を過ごしてきた。なんとか男性として生きようと、23歳の時、女性と結婚し、2人の子供をもうけたが、違和感はぬぐえなかった。2001年11月、病院で診てもらうと、性同一性障害と診断された。39歳の時だった。妻と話し合い、お互いに納得して離婚、2人の子供を引き取り、「母」として新しいスタートを切ったのである。 ■ □ ■ 性同一性障害が日本で社会的に認知され始めたのは、まだ最近のことだ。日本精神神経学会は1997年、性同一性障害を医学的に治療対象にすることを決め、国は2004年、こうした障害者を手助けしようと、一定の条件を満たせば、戸籍の性別を変更できる特例法を施行した。 ところが、この条件が厳しい。支援団体「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」(本部・東京都)によると、心と体の不一致を感じて医療機関で受診した人は推計4000人だが、性別の変更を申し立てたのは373件にとどまっている。 水野さんは岐阜家裁に性別変更を2度申し立てたが、却下された。特例法は「子供がいないこと」を要件の一つにしているからだ。父親、あるいは母親が2人になってしまい、子供が混乱するというのが理由だ。 神戸学院大の大島俊之教授(民法)は「性別の変更を認める法律は世界各国にあるが、子供がいないことを条件にするのは少数派だ」と、立法のミスを指摘する。 ■ ■ □ 「子供が死ねば、性別変更を認める、といっているのと同じ。冷酷です。司法の判断は厳しいが、何とか現状を変えていきたい」。水野さんは今年1月から、特例法の「子供がいないこと」という要件の削除を求める活動を始めた。 水野さんが勤める会社は、男性として採用した当時の業務を変更しないまま、女性の制服を貸与し、女性として処遇している。2人の子供たちと仲良く暮らす水野さん。こうした人たちの生活実態を支援する法改正が急がれる。(沢村宜樹) 〈性同一性障害者性別特例法〉 戸籍の性別を変更できる条件として、▽20歳以上である▽性転換手術(性別適合手術)を受けている▽未婚で子供がいない▽2人以上の専門医師の診断を受けている――ことなどを挙げている。 写真=二男の卒業式で、母親たちと談笑する水野さん(右、岐阜県羽島市の小学校で) 〈代表県版採録〉
by alfayoko2005
| 2006-04-11 01:05
| トランス
|
ファン申請 |
||