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シュタイアーのフォルテピアノ――幻想と悲しみ、余すところなく(音楽) (日本経済 2006/05/18夕刊)
ドイツの鍵盤楽器奏者アンドレアス・シュタイアーがトッパンホールで連続演奏会を開いた。九日は日本のピリオド(作曲当時の仕様の)楽器アンサンブルとの協奏曲、十一日はモーツァルト・プログラムのリサイタル。後者は作曲家生誕二百五十年の白眉(はくび)と言うべき一夜となった。 十九歳のモーツァルトの作になる「ソナタ 変ホ長調K二八二」でフォルテピアノという楽器が織り成す細やかな表情の世界に誘い、続く「グルックの『メッカの巡礼たち』のアリエッタ『愚民の思うは』による十の変奏曲ト長調K四五五」では、演奏会前半のテーマである変奏の妙を聴かせた。単純かつ軽妙な主題から様々な色合いを引き出す手腕は、鮮やかそのもの。 「ソナタ イ長調K三三一『トルコ行進曲付』」では、ソナタ形式の楽章を持たないユニークな作品像を浮き彫りにする。第一楽章の変奏曲から立ち上る芳しいばかりのニュアンスは特筆に値する。典雅なメヌエットに続く「トルコ行進曲」でも即興的な変奏を加えることによって音楽の含蓄をより深め、作品全体に統一感を与えていた。 一つの作品として構想された「幻想曲 ハ短調K四七五」「ソナタ ハ短調K四五七」はモダン(現代仕様の)ピアノで弾くと、より後年の時代様式に当たるロマン派音楽に近づいたりもする。これに対しシュタイアーはフォルテピアノのヴェールがかかったような音色を生かし、十八世紀のスタイルによって作品本来の幻想と悲しみの世界を余すところなく描き出す。そこでは当日使用された、モーツァルトの時代の楽器職人アントン・ヴァルターの複製楽器が持つモデレーター(音色を変化させる装置)が随所で幻想的な味わいを醸し出していた。 (音楽評論家 岡本 稔) 【図・写真】作品から様々な表情を描き出す=撮影・堀田 力丸
by alfayoko2005
| 2006-05-25 23:37
| Music
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