カテゴリ
お知らせ トランス LGB(TIQ) HIV/AIDS 米政治 国内政治 ジェンダー・セックス バックラッシュ Books Movies Theatres TV & Radio Music Others Opinions 以前の記事
2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 検索
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
木原助教授の紙上特別講義 10代の性
1 交際相手を次々と変え、感染症が急速に広がっています。 (朝日わくわくネット・大阪発-いま学校で 2005/07/06) 10代の子どもたちの性意識や行動を調べ、エイズウイルス(HIV)感染の広がりに警鐘を鳴らす――。そんな活動を続ける京都大学助教授の木原雅子さんが今回の講師です。ここ10年ほどで大きく変わったという中高生の性意識。今月のアジア・太平洋地域エイズ国際会議(神戸市)を前に問題提起をうかがいます。 若い人の間でいま、性感染症が急速に広がっているのをご存じですか。流行の中心はクラミジアで、1990年代の半ばから患者が急増しています=(1)。 クラミジアは感染しても自覚症状がないことの多い病気ですが、女性の場合は、不妊症や子宮外妊娠になってしまう危険があります。また、HIV感染の危険が高まることも知られています。事実、日本では若者のHIV感染者の報告数が急激に増えているのです。 こうした感染の広がりの背景には、近年大きく変わってきた中高生の「性意識・行動」があります。 私はこれまで13万件以上の社会疫学=(2)=的調査を重ね、昨年は、全国高等学校PTA連合会と一緒に全国「高校生1万人調査」=(3)=を実施しました。その調査結果はいま、社会的に大きな驚きをもって受け止められています。 ● 人間同士のつながりが希薄になり、 ○ 意識・行動が大きく変わった。 性関係の有無を尋ねると、高1で1~2割、高2で2~3割、高3で3~4割が経験し、女子が男子より高率でした。 経験者のうち、相手の数が「2人以上」という生徒が、高2以上の男女で半数を超えました。高3の男女に限ると「4人以上」と答えた生徒が20%を超えました。この傾向に都会・地方の違いはありません。 相手の数が多いのは、多くの相手と同時に交際するというのではありません。関係は1対1なのですが、交際期間が2~3カ月と短いため、合計すると数が多くなるのです。 多くの生徒へインタビュー調査を重ねた結果、背景として出てきたのは「間がもたない」「(つきあいを続ける努力をするのは)うざい」という反応でした。 携帯電話の交信の多さなどから、強く人とのつながりを求めていることは推測できますが、長い付き合いは不得手のようです。 いま若者の間には、過去の相手も含めた網の目のような巨大な「性的ネットワーク」=(4)=ができあがっています。性感染症やHIVが広がる土壌となるものです。ひとたびこの見えないネットワークの中に入れば、知らないうちに感染する可能性があります。 性意識・行動の変化の背景には、若者たちが幼いころから、テレビやマンガ、雑誌、ビデオ、インターネットなどの過剰な性情報にさらされる中で、性関係をせかされている=(5)=という事情があります。 ただ、それだけではありません。価値の規範や情報を伝える役目を持つ「人間同士のつながり」が、家庭、地域、学校、友人の間で希薄化してしまったという、現代日本社会の抱えるもっと根本的な問題があると考えています。 木原雅子(きはら・まさこ) 京都大学大学院医学研究科助教授。51歳。専門は社会疫学。若者たちの実態を多角的に調べて科学的評価を行い、エイズ(後天性免疫不全症候群)の予防教育に取り組む。過去に調査した中高生は約13万人。厚生労働省HIV社会疫学研究班若者予防グループ代表。 《記者から》 次々と交際相手を変える子どもたち。木原さんのお話を聞いて、性感染症の広がりとは、実は「心」の問題なのではと感じました。家族とよく話す子ほど性行動が抑えられるとの調査もあるそうです。人間的なつながりの薄さ、孤独感が、援助交際などの行動に走らせるのかもしれません。 7月1~5日には神戸市で「アジア・太平洋地域エイズ国際会議」が開かれます。HIV感染の拡大をどうみるか、を次回話して頂きます。(尾崎文康) ◇キーワード (1)性感染症の拡大 病気の中で一番感染者が多い「性器クラミジア感染症」の場合、2000年に約3万7千件だった報告数が、2003年には約4万2千件に急増している。「淋菌(りんきん)感染症」「性器ヘルペス」も近年は増える傾向にある。 (2)社会疫学 木原さんらが提唱する新しい学問の立場。集団の健康や疾病について統計などを使って調べる「疫学」と、社会学や心理学など「社会科学」の視点や方法論を統合して用いる。 (3)高校生1万人の性意識調査 全国の公立高校生を対象に2004年10月に実施。初めて性関係を持った学年は高1が最多▽高3女子の交際相手は3割以上が年上▽一般論として高校生の性関係を容認する生徒は約75%、などの結果が出た。 (4)性的ネットワーク 過去に交際した人を線で結ぶと、一組の男女から網の目のような性関係の図ができあがる。その端と端に位置する人同士でも、性感染症がうつる可能性がある。1対1の交際だけという人も例外ではない。 (5)性関係をせかされている 先の「高校生1万人調査」では、性交を経験後に「後悔した」という子が男女とも約1割いた。「どちらとも言えない」を合わせると男子約4割、女子約6割。木原さんは「多くが後悔や疑問を感じている」とみている。
by alfayoko2005
| 2005-07-06 12:38
| HIV/AIDS
|
ファン申請 |
||