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[エイズ・アジアの今](2)薬物が運ぶウイルス(連載) (読売 2005/07/06朝刊)
◆国境を越える「回し打ち」 中国・黄河の中下流域に位置する河南省の農村部では、90年代半ばに、売血によるエイズウイルスの集団感染が多発した。血液収集業者が、同じ注射針で多数の住民から血液を集めていたことから起きた悲劇だ。 「血を売れば簡単に現金収入が得られる。農村には感染症の専門家は少なく、公衆衛生に対する住民意識も低い」。今春まで約2年半、中国南部で医療支援活動を行ってきたエイズ予防財団の福原毅文(たけふみ)国際協力部長は実情を語る。 河南省の農村に広まったエイズウイルスは、南部の雲南省から持ち込まれたと見られる。当時から雲南省ではヘロイン(麻薬の一種)乱用者の間で感染が拡大していた。ヘロインを静脈に打つ時、同じ注射針を皆で使い回すからだ。 タイ、ラオス、ミャンマーの3か国にまたがる世界有数の麻薬産地「ゴールデン・トライアングル」を背景に、3国との交易地となる雲南省は、薬物密輸ルートの拠点であると同時に、エイズウイルスを各地に広める拠点となった。 薬物乱用者の間で広まる感染は、性的接触よりも、数十倍も速く広がり、国境をやすやすと越えていく。中国・広西チワン族自治区の薬物乱用者は感染率が約60%。中国から数年遅れて感染が広がったハノイでは30%、ジャカルタでは50%に達する。 感染対策の先頭に立つ国連合同エイズ計画(UNAIDS)は2004年の報告書で、「薬物乱用者のエイズウイルス感染率の急上昇は、社会全体に“感染爆発”をもたらす最大の要因になりうる」と警告を発した。 中国、ベトナム、インドネシアなどの成人感染率はまだ1%未満で、タイやミャンマーなど初期にエイズが大流行した国に比べれば低い水準にとどまっている。しかし、中国約13億人、ベトナム約8000万人、インドネシア約2億2000万人という人口規模を考えれば、潜在的な脅威は小さくない。 薬物乱用を厳しく取り締まる国が増えているが、皮肉にもその厳罰主義がエイズ対策を難しくしている。乱用が発覚して重罪になるのを恐れる感染者は、診察を受けないので、感染実態が表に出にくい。 「薬物の常用をすぐやめさせるのは困難。エイズウイルス感染を防ぐには、立ち寄り所を作って注射針が交換できるようにしたり、注射針を使わない、飲む形の薬物に転換するといった対策を進めるのが現実的だ」とエイズ予防財団の橋本幹雄主任は語る。 欧州では、実際にこうした対策を行って感染拡大を抑えることに成功している国が多い。 だがアジアでは、薬物使用の奨励とも受け取られかねない施策は「有効とわかっていても採用できない」(ファン・サン・チョウ・ベトナム国際関係研究所副所長)というのが本音だ。それでも、中国やマレーシアでは問題の深刻さに、欧州と同様な施策実施に積極的な姿勢を見せている。 写真=注射器使い回しをやめるため、経口薬物への転換治療を受ける中国人の男性(UNAIDS提供/P.Virot撮影)
by alfayoko2005
| 2005-07-07 01:19
| HIV/AIDS
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