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社説:人身売買罪 新法と意識変革で一掃を (毎日 2005/07/17)
外国人を性的な目的や臓器摘出などのために日本に送り込む人身売買(トラフィッキング)の撲滅を目指す改正刑法・入管難民法が施行された。「人身売買罪」の新設で、摘発が強化されるものと期待されている。 いまどき人を奴隷扱いする人身売買がこの日本で横行しているとは、信じがたい話だ。米国務省が自国の人身売買犠牲者保護法に基づく「人身売買報告書」で、4年連続して日本の対応を不十分と酷評したことにも、得心できぬ向きが多かったに違いない。しかし、残念ながら国内の繁華街や温泉地などにはだまされて日本に連れてこられ、昔の苦界のように前借金を背負わされて売春行為を強いられている外国人女性が少なくないのが実情だ。健康的で善良な市民が、見過ごしているだけだ。 警視庁が今月初めに摘発したタイ人少女の売買事件は、実態を物語る例と言える。少女を売春あっせん業者に売り渡したブローカー2人が児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕されたが、被害者は13歳の時にタイで現地の女性から「日本で稼げる」と持ちかけられて来日、東京・新宿の飲食店で230万円で売買された。その後、渡航費や生活費の名目で約500万円の借金を背負わされ、群馬県内の温泉や千葉県や栃木県で売春行為を強いられていた。 逮捕されたブローカーは「人身売買は10回ぐらいやった」と供述しており、被害者も「同年齢のタイ人少女と一緒に来日した」と話している。言うまでもなく事件は氷山の一角だ。警察庁によると、今年上半期に全国で29件の人身売買事件が摘発されたというが、これもごく一部にすぎない。 摘発が後手に回ってきたのは、これまでは日本人を国外に連れ出す行為を禁ずる国外移送目的略取・誘拐罪と被害者が満18歳未満の場合に適用される児童買春・児童ポルノ禁止法があるだけで、人身売買を直接禁じる法律がなかったせいだとされる。出入国管理法や売春防止法による摘発には、限界があると指摘されていた。 それだけではない。売春を必要悪ととらえる風潮が、依然としてまん延している影響を看過してはならない。撲滅は不可能と考えているから、人々は売春行為に無関心で見聞きしても不自然と思わないのではないか。取り締まり当局が必ずしも摘発に熱心でない理由とも通底するだろう。とくに来日外国人女性の場合、売春行為にかかわっていても、いわゆる出稼ぎの一環と安易に受け止められる傾向があるようにも思われる。 相手の犠牲の上に成り立つ性的関係が、許されるはずがない。ましてや所得格差に付け入って、外国人を性の道具として売買するとは言語道断だ。トラフィッキングが暴力団の資金源となっている事実も、日本人の評判を悪化させているアジア諸国などへの“買春ツアー”と同根であることも、改めて指摘するまでもあるまい。 人身売買罪の制定を機に現実を直視し、性的搾取を一掃する機運を醸成していきたいものだ。 毎日新聞 2005年7月17日 0時14分
by alfayoko2005
| 2005-07-17 06:10
| ジェンダー・セックス
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