カテゴリ
お知らせ トランス LGB(TIQ) HIV/AIDS 米政治 国内政治 ジェンダー・セックス バックラッシュ Books Movies Theatres TV & Radio Music Others Opinions 以前の記事
2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 検索
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
社説:米最高裁 世界も見守る判事選び (朝日 2005/07/18朝刊)
ブッシュ米大統領が誰を指名するのか、米国内ばかりか、世界が注目している。 米連邦最高裁のサンドラ・オコーナー判事(75)が辞意を表明したのを受けて、後任の人選を始めたのだ。 米国の最高裁判事は、日本のそれよりもずっと市民に身近な存在だ。妊娠中絶や同性愛、人種差別など庶民の生活にかかわる問題でも、最高裁の判断が大きな影響力を持っている。 しかも、81年に女性として初めて最高裁の判事になったオコーナー氏は中道派として、保守とリベラルが激しく対立する妊娠中絶や差別是正措置などで、是々非々の立場をとってきた。9人の判事の意見が真っ二つに割れた場合に、しばしば彼女の考えで判決の行方が決まることから、「米国を左右する人物」と呼ばれてきた。 日本の最高裁判事の定年は70歳だが、米国には定年がない。その分、判事の交代は少なく、今回は11年ぶりの人事だ。米メディアが騒ぐのも無理もない。 歴代の大統領は、それぞれの思想に近い判事を選んできた。ブッシュ大統領は保守系の人物を指名すると見られる。大統領の支持基盤であるキリスト教右派は、妊娠中絶の禁止などに賛同する判事を熱望している。 これに対して、リベラル派が望むのは、たとえ保守的であってもオコーナー判事が果たしたような社会的なバランスを保つ役割を継ぐ人だ。 大統領は就任以来、社会福祉活動をする宗教団体への補助金を認めるなど、政治と宗教との垣根を低くしてきた。それが海外に宗教的な国家という印象を与えている。もし、最高裁判事の人選でも宗教右派が喜ぶような結果となれば、そのイメージはさらに膨らむ。 イスラム過激派の暗雲が漂う世界で、唯一の超大国がキリスト教保守への傾斜を強める。「宗教戦争」の悪夢への不安にとらわれる人もいるだろう。 また、米国の人権意識を抑えるような判事が登場すれば、「自由な国」という米国の理想像も色あせる。 最高裁は、アルカイダとの関連容疑で米グアンタナモ基地に収容されている拘束者にも、異議を申し立てる権利を認める判決を出した。その際にオコーナー判事は「戦争は、大統領に無制限の権限を与えるものではない」と指摘した。 米国の最近の世論調査では、オコーナー判事の後継者として、保守的な人物を望む声が23%、リベラルを求める人が15%だったのに対して、穏健派(中道派)を挙げたのは43%を占めた。保守化の傾向が進んだといわれる米国だが、極端な変化を望んでいるわけではない。 「思いやりのある保守」を掲げた大統領が超保守的な人物を指名すれば、国民の支持を失い、上院の承認を取りつけるのも難しくなるだろう。そのうえ国際社会に誤ったメッセージを送ることにもなりかねない。
by alfayoko2005
| 2005-07-18 06:59
|
ファン申請 |
||