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性犯罪:深夜に激増 10年で2.6倍3405件に--毎日新聞全国調査
◇福岡、1日の5割発生--午後10時~翌午前6時 深夜や未明に起きた婦女暴行や強制わいせつ事件が、ここ10年で約2・6倍になり、少なくとも14府県で3倍以上に増えていることが毎日新聞の調べで分かった。03、04年に起きた性犯罪のうち、午後10時~翌朝6時の深夜や未明に発生した事件の割合は約38%に上り、10年前より約5ポイント上昇。刑法犯全体では、この時間帯の事件発生率は25%前後で推移しており、女性の深夜帰りなどの危険が増している実態が浮かび上がった。(25面に不安社会第3部「女性被害の周辺」) 昨年末から今年1月までに福岡県内で3女性が深夜や早朝に相次いで殺された事件などを受け、毎日新聞が全国の県警に調査した。京都、神奈川など12府県の警察は「時間別統計がない」としている。 94年と04年(未集計の場合は03年)で婦女暴行・強制わいせつ事件を見ると、回答のあった35都道府県警の合計で、午前6時~午後10時の発生が94年は2703件、03、04年は5675件。午後10時~翌朝6時は94年が1327件だったが、03、04年が3405件と大幅に増えた。10年で日中は約2・1倍、深夜・未明は約2・6倍になっていた。 深夜・未明の発生は、山形県が10年間で7・5倍▽愛知県が7・0倍▽茨城県5・5倍▽群馬県、沖縄県で4・4倍--になるなど、14府県で3倍、24都府県で2倍を超えている。日中と比べ深夜・未明の発生率が上がったのは24都府県で、大分県の69%を最高に宮城県(56%)、福岡県(49%)など11県で4割を超えた。 この10年間で、女性を取り巻く環境は大きく変わった。一人暮らしの女性は約100万人増え、99年には労働基準法改正で女性の深夜勤務の制限が原則撤廃された。 東洋大の細井洋子教授(犯罪社会学)は「女性のライフスタイルの変化に加え、プライバシー重視の裏返しで住民が周囲に関心を持たなくなったことが要因だろう」と分析している。 ……………………………………………………………………………………………………… 【10年間の性犯罪発生件数の比較】 都道府県 発生数(うち深夜・未明) 94年からの増加率〈倍〉(うち深夜・未明) 北海道 430 (157) 2.5 (1.9) 秋田 51 (15) 1.2 (0.5) 岩手※ 63 (22) 1.6 (2.8) 宮城※ 219 (124) 2.0 (2.0) 山形 37 (15) 1.3 (7.5) 福島 109 (40) 0.9 (2.4) 茨城※ 332 (122) 4.8 (5.5) 栃木 160 (42) 2.4 (3.2) 群馬 137 (44) 2.6 (4.4) 埼玉 856 (260) 1.8 (2.0) 東京※ 1566 (613) 2.1 (2.3) 千葉 530 (165) 1.6 (1.7) 長野 132 (46) 2.2 (4.2) 愛知 675 (265) 5.1 (7.0) 三重※ 157 (50) 3.9 (3.1) 新潟 168 (52) 2.0 (2.7) 石川 66 (24) 1.5 (3.4) 福井 38 (16) 1.3 (3.2) 大阪 1273 (484) 4.6 (4.0) 岡山 114 (46) 2.3 (1.9) 広島 296 (108) 2.9 (3.4) 島根 36 (3) 0.9 (0.5) 鳥取 53 (11) 2.0 (1.0) 徳島 40 (13) 1.4 (2.2) 香川 91 (24) 2.8 (2.7) 愛媛 85 (27) 0.8 (1.3) 山口※ 101 (40) 1.6 (1.1) 福岡※ 604 (301) 1.9 (2.5) 大分※ 49 (34) 0.9 (1.5) 長崎 80 (30) 1.3 (1.5) 佐賀※ 92 (30) 3.2 (3.0) 熊本 122 (50) 1.9 (4.2) 宮崎 88 (38) 2.0 (2.9) 鹿児島※ 87 (28) 1.6 (1.8) 沖縄※ 143 (66) 3.5 (4.4) 計 9080(3405) 2.2 (2.6) 注 ※は03年、無印は04年。12府・県警は「時間別統計がない」などとして回答しなかった 毎日新聞 2005年7月12日 西部朝刊 不安社会:第3部 女性被害の周辺/1 警察「攻めの防犯」 ◇通勤路調査、職質を徹底 奇妙な一致が署員を緊張させていた。年末から福岡県内の主要都市で起きた3連続女性殺害事件。飯塚市、北九州市、福岡市の順で、ちょうど18日おきに事件が起きた。残るのは筑後地区だけだった。「次はうちかも」。久留米署員は事件の周期を「魔の18日」とささやき合い、三番目の福岡の事件からちょうど18日目は2月5日にあたっていた。 事件の具体的兆候があったわけではないが、久留米署はこの日を軸に独自の警戒態勢を敷いた。目指したのは「攻めの防犯」(井上卓署長)だ。 「あなたの通勤時間と経路を教えて下さい」。約370人の署員から約40人を選んで特別班を作り、市民に声を掛けた。いつ、誰が、どこを通るのか。行動パターンが把握できれば、パトロールで異常が発見しやすくなり、緊急時の目撃証言探しにも役立つ。約70人が協力してくれたが、プライバシーなどを考えると、許容範囲ぎりぎりの作戦だった。 「攻めの防犯」では、厳重な警戒も積極的にPRした。午前0時~7時半、班員はパトカーなど約20台で大病院や公園周辺など7カ所を回り、職務質問を繰り返した。早朝の駅前で、防犯協会が提供してくれた100個の防犯ブザーを出勤や登校中の女性に無料配布し「明日は我が身?!」と事件の連続性をあえて強調するチラシも配った。 3連続女性殺害事件で鈴木泰徳被告(36)が起訴された今、井上署長は「個人情報への意識が高まる中で、市民の反発も予想した」と打ち明ける。だが、署などへの苦情は一切なかった。道すがらの女性を襲う犯罪への不安が「攻めの防犯」の必要性を生み出した。 ◇自衛の動き広がる 事件が起きた地区では、さまざまな自衛の動きが現れた。 福岡市の現場に近い福岡空港に勤める女性(26)は「防犯ベルが2個あるんです」と苦笑する。家は車で約20分ほど。早出や夜勤の時はタクシーを使うが、「念のため」と防犯ベルを買った。その直後、会社から防犯ベルが支給され「必ず身に付けるように」と指示された。 北九州市小倉南区のある病院は、契約先のタクシー会社に、深夜帰りの女性看護師を送る際、運転手が車から降りて玄関まで送り届けるよう依頼した。飯塚市では、事件現場の公園の植栽が急きょ整備され見通しがよくなった。近くに住む女性会社員(26)は「街灯のある幹線道路でないと安心できない」と遠回りして帰るようになった。 * * 福岡地裁で開かれている裁判で、検察側は、鈴木被告が一人歩きの若い女性を場当たり的に襲ったと指摘している。捜査幹部は「逮捕できなければ、4人目の被害者が出ていただろう」と語る。 鈴木被告は6月の初公判で殺意を否認した。関係者によると、遺族の調書を読み、初めて事件の重大性に気付いた様子もみられるという。 ◇ ◇ 「女性が夜道を一人で安心して歩ける国」。かつてはそう言われた日本の治安の良さが失われて久しい。暮らしの安全への処方せんを身近な問題から探る連載「不安社会」の第3部は、女性を狙った犯罪をめぐる深刻な被害実態、再発防止の取り組みなどを報告する。=つづく 毎日新聞 2005年7月12日 西部朝刊 不安社会:第3部 女性被害の周辺/2 匿名告白の会 ◇深い傷、分かち合い 夢の中でシャッターの音が聞こえた。一昨年5月の早朝。北九州市内のマンションで一人暮らしをしていた女子大学生(22)が目を開けると、目出し帽をかぶった大柄な男がカメラを向けていた。「いやーっ」。叫び声に驚いて男は逃げたが、震えが止まらなかった。 悲鳴を聞いて出てきた隣人を見て我に返り、携帯電話に登録してあった小倉南署に連絡した。3階にある部屋の無施錠のベランダ窓から男は侵入し、財布の1万円と下着を盗んでいた。 また襲われる気がして、友人宅に泊まるようになった。布団に入っても寝付けない。大柄の男性を見ると足がすくんだ。 それから約1年4カ月。署から容疑者逮捕の連絡があった。近くに住む音楽教室の経営者(38)だった。一人暮らしを狙い婦女暴行や住居侵入など30件近い事件を供述した。懲役16年の判決が確定したが、彼女は「私の心に一生消えない傷を残した。軽すぎる」と吐き捨てる。 * * 「昔のことですが……」。福岡市内の精神科クリニック。佐賀県内に住む30代の女性患者が、3年前のレイプ被害を打ち明けたのは、通院を始めて半年後のことだった。 恋人と同棲(どうせい)するため引っ越した当日、「新居を知りたい」と後を付いてきた職場の上司に襲われた。被害は誰にも言わなかったが、恋人に触れられると体がこわばり、ほどなく別れた。会社も辞め、事件は「ないことにした」つもりだった。 クリニックには、新しい職場の人間関係の悩みで訪れた。男性医師(43)から「他に話したいことは?」と問い掛けられ、被害を打ち明けた。初めは「そのことは関係ない」と言い張ったが、当時のことを話すうちに涙がこぼれた。医師は「乗り越えるにはつらい記憶を呼び起こさないといけない。彼女は自分と必死で戦っている」と語る。 * * 性犯罪は被害者の心身に深い傷を与える。その苦しみを被害者同士で克服しようというグループがある。北九州市の「女性と健康北九州ネットワーク・ひなたぼっこ」(093・541・5805)。約20人の会員が月1回集まって、匿名のまま体験を告白しあう。 「10年も前の事件から立ち直れない」「夜道を歩いていた私が悪かった」。ただ、泣き続ける女性もいる。結論に導く役はいない。体験者が痛みを分かち合い、少しでも気持ちを軽くしてもらうのが目的だ。 「加害者を憎み続けるのではなく、エネルギーの矛先を自分の将来に向けてほしい」。代表の野口真理子さん(48)はそう訴える。親せきの男から被害を受けた30代の主婦は、痴漢に遭った娘の話を聞いて忌まわしい過去を思い出した。「10年以上たつのに傷が消えない。娘がもっとひどい犯罪に巻き込まれないか不安でしかたない」=つづく 毎日新聞 2005年7月13日 西部朝刊 不安社会:第3部 女性被害の周辺/3 「顔見知りの犯行」 ◇耳を貸さない警察 「被告の行為は、婦女暴行致傷罪にあたる」。長崎地裁佐世保支部は今年3月、30代の女性から「性的暴行を受けた」と訴えられた同僚の男に330万円の賠償を命じた。民事裁判とはいえ、裁判所も犯罪行為と認めたのに、警察は当初、女性の苦しみに耳を貸そうとはしなかった。 約2年前、女性はこの男と酒を飲んだ後にホテルに連れ込まれ、暴行された。周囲に知られ、男は一時休職した。だが、半月後には「何もなかったように」(被害女性)復職。女性は「また同じことが起きるのでは」と、出勤できなくなった。 1カ月後、悩んだ末に女性は佐世保署に向かった。しかし、応対した署員は「告訴は難しい」。別の署員は「相手は悪いことしてないから出勤しているんでしょ」と笑った。「自分の身は自分で守るしかない」。女性は民事裁判を起こした。 * * 1年後。女性が県公安委員会に県警への苦情を申し立てると、風向きが変わった。「告訴して下さい」と署から連絡が入った。民事裁判の1審判決直後に出した告訴状は即日受理され、男は婦女暴行致傷容疑で書類送検された。現在、民事裁判の控訴審が続いているが、同署の調べに男は容疑を認めたという。 なぜ、佐世保署は一変したのか。同署幹部は、告訴受理に当初は消極的だったことを認めつつ、「適切な対応だった」と主張を変えない。 女性には、今も警察不信がくすぶる。「最初から親身になって話を聞いてくれたら、こんなに苦しまなくてもよかった。つらい過去を話して身を委ねようとしているのに、寄り添ってもらえないのでは、被害者は行き場を失ってしまう」 * * 警察庁の統計では、03年に検挙した婦女暴行事件の約65%が、被害者と加害者に「面識はなかった」とされる。しかし、20年以上の活動実績がある民間団体「東京・強姦(かん)救援センター」(03・3207・3692)にあった昨年の電話相談のうち、加害者が見ず知らずだったケースはわずか9%。センターは「安全なはずの場所で、信用していた男から被害を受ける方がはるかに多い」と断言する。 女性警察官の「性犯罪捜査員」育成や、裁判で被告と向き合わずに証言できる「ビデオリンク方式」。被害者を守る取り組みも進みつつある。しかし、同センターのスタッフは「被害を訴え出るかどうか。最終的には被害者自身が決めるしかない」と指摘する。 「顔見知りだから婦女暴行でないとの偏見が残っているのに『勇気を出して告訴しましょう』というのは、無責任な押し付け。深く傷ついても自分の胸だけにしまってしまう被害者もいることを社会に知ってほしい」=つづく 毎日新聞 2005年7月14日 西部朝刊
by alfayoko2005
| 2005-07-19 22:03
| ジェンダー・セックス
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