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法が広がる(4)埋まらぬ国家と個人の溝――価値観、政治で裁けず (日本経済 2005/07/30朝刊)
「どちらかの国籍を放棄しろというのは、自分のアイデンティティーを断ち切られることだ」。父がフランス人、母が日本人のピレー・パトリック淳太さん(19)はあと二年余りでフランス国籍か日本国籍かを選ばなければならないかと思うと悲しくてしかたない。 22歳の選択 フランスで生まれ育ったが、毎年夏は北海道の母の実家に滞在、学校に通った。妹とは日本語で話し、将来は日本に住むつもりだ。「日本人? フランス人?」との問いに「両方」と答える。 日本の国籍法は「単一国籍」が原則。自発的に外国籍を取得すると日本国籍を失うし、生まれた時点で二重国籍の人は二十二歳までにいずれかに決めなくてはならない。 二〇〇〇年に発効した欧州国籍条約は出生時の二重国籍の保持を容認したほか、婚姻による新たな国籍取得も認めた。 「国籍法を改正してください」。ピレーさんの母、千代美さん(47)は航空会社の客室乗務員。東京に来るたびに国会議員の事務所を回る。 六月、大阪府岸和田市議会の本会議場は異様な緊迫感に包まれた。可決した住民投票条例は全国で初めて「永住」外国人だけでなく、日本滞在が三年超の「定住」外国人にも投票権を与える内容。採決結果はぎりぎりまで読めなかった。 最高裁は一九九五年、外国人の地方参政権について「憲法上、禁止されておらず、国の立法施策の問題」との判断を示した。だが、政治の動きは鈍い。対象者が少なく、尽力しても票につながらない。一面の真理だが、それだけではない。 「永住外国人に資格を与えるのも反対だ」。岸和田市議の一人は匿名を条件に語る。「外国人に政治が乗っ取られてしまう」 うかがえるのは「日本人とは何か」「国家とは何か」という価値観のぶつかり合いだ。衆院憲法調査会の中山太郎会長は「この議論は憲法調査会でやらねばならない非常に大事な問題」と語る。 米大統領選は毎回、妊娠中絶の是非を巡り激論となる。価値観の違いこそが政治だ。ところが、日本では踏み込めない分野がまだ多い。生殖補助医療、尊厳死……。 「夫婦の子供を残すには代理出産という方法しかない」。病気で出産できない三十代の女性は訴える。 夫婦十組に一組が不妊症とされ、何らかの不妊治療を経て生を受けた人は六十万人を超えた。だが、体外受精や代理出産に関する法律はない。 放置せず議論を 法務省の審議会は九六年、夫婦別姓を認めた。だが、自民党内には「伝統的な家族像を崩壊させる」との異論が多い。民事局幹部は「道徳観、倫理観に絡んだ問題は議員立法でしか成立し得ない」とあきらめ顔だ。 近畿大法科大学院の中川淳教授は「国民が困っている問題はとっかかりになる法律だけでも早急につくるべきだ。必要に応じて後から改正すればよい。放置せずに議論すべきだ」と話す。 自民党は二十二日、子供への移植に道を開くための臓器移植法改正案を了承した。ただ、「脳死は人の死かどうか」の論議はなお続き、人の死であることを前提とした案と、そうでない案の双方を国会提出し、自主投票にすることにした。 こんな声が出ている。「矛盾する両案とも可決なら、どちらが法律になる?」。調整放棄のツケは子供たちに回る。 =おわり 二重国籍者は原則22歳までに国籍選択する 大石格、三宅伸吾、吉次弘志、橋本圭子、坂本英二、秋場大輔、犬童文良、柳瀬和央、松浦肇、関口圭が担当しました。
by alfayoko2005
| 2005-07-30 16:54
| 国内政治
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