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水/地平線(すいへいせん/ちへいせん)「薬物去勢」支持される理由 コロンビア 和泉聡 (朝日 2005/07/31朝刊国際面)
コロンビアの国会で、性犯罪者に対し「薬物去勢」をしようという法案が審議されている。再犯を防ぐため、薬を投与し、性欲に関係する男性ホルモンを抑え込んでしまうという制度だ。米国の一部の州や欧州で、性犯罪者の矯正法などとして採り入れているところがある。 制度の細部は国会で議論しながら煮詰めていくため、まだ固まっていないが、提案者のカルロス・モレノ・デカロ上院議員によると、自分の意思で承諾した性犯罪者だけを対象とし、見返りとして仮釈放や刑期短縮をする。犯罪の多発で刑務所が不足していることも提案の背景にある。これまで重大な副作用の報告例もないため、人権上の問題は少ない、と同議員は言う。 強姦(ごうかん)や強制わいせつなど性犯罪は増加傾向で、03年は約1万4200件。人口10万人あたり50件だ。統計の取り方が違うので一概に比較できないが、日本の約4倍。性犯罪者の7割が再犯し、被害者の8割近くが14歳以下と見られている。 反対意見もある。弁護士のファン・デディオス・トレスさんは「仮釈放などをちらつかせて誘導すれば、強制したも同然になる。肉体刑など残虐な刑を禁止した憲法にも違反する」と言う。 デカロ議員によると、国会議員の賛否は半々だが、市民の間では賛成が圧倒的だという。「議員の子供たちは警備員に守られているから、ひとごとのように考えている。非力な女性や子供を守ることこそ大事だ」というわけだ。 刑務所では性犯罪者が最もさげすまれ、同部屋の服役囚からリンチを受けると、南米の国々で聞く。貧民街では麻薬取引や殺人が頻発するのに、性犯罪だけは発生すると大騒ぎになり、住民が総掛かりで犯人を見つけ出す。 犯罪総数が多いなかで、性犯罪だけは「殺人よりも許せない」という意識が南米に強いのはなぜか。長いこと疑問に思っていた。友人らの意見では「敬虔(けいけん)なカトリック信者が多く、キリスト教の人道主義が絡んでいる」という。しかし殺人も人道主義に反し、あまり説得力がない。 カーニバルやサッカーで情熱的な男性たちの姿に、過剰なまでに「男らしさ」を重視する空気を感じる。性犯罪ほど男らしくない犯罪はない。「愛する女性を守るためなら何でもする」。そんな女性に優しいラテンの男たちの心抜きには、「薬物去勢」の是非を語れないだろう。
by alfayoko2005
| 2005-07-31 17:44
| ジェンダー・セックス
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