ＤＶに厳罰、スペインに専門法廷 男性のみ対象

ＤＶに厳罰、スペインに専門法廷　男性のみ対象
2005年08月01日12時38分 - 朝日

　男性の女性に対するＤＶ（家庭内暴力、ドメスティック・バイオレンス）を専門に審理する法廷がこのほどスペインでスタートした。一般犯罪より厳しい刑を科すことで暴力を抑える効果が期待されているが「同じ行為で男性に女性よりも重い刑を科すのは性差別にあたる」との批判もある。「同性婚カップルの場合はどうなるのか」などと論議を呼んでいる。

　スペインでは０４年、反ＤＶ法が成立した。男性が配偶者や元配偶者、恋人、元恋人に暴力をふるった場合、一般の暴力犯罪よりも迅速に審理し、罪も重くした。被害者の女性の保護も充実させた。新法の成立で、全国の４３４の法廷をＤＶ専門法廷に変え、専門に扱う１７の裁判所も新設した。

　スペインではＤＶで年間６万件の被害届が出され、８０人近い女性が死亡しているとされ、サパテロ政権は根絶を公約にしていた。だが、同法は男性による女性への暴力が対象。「女性の男性に対する暴力や、同性婚カップルには同法が適用されない」との指摘もある。