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米南部の公民権運動家殺害――41年後の有罪、地元に溝(世界いまを刻む) (日本経済 2005/08/28朝刊)
米ミシシッピ州で一九六四年、公民権運動家の白人男性二人と黒人男性一人が白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)の構成員らに殺害された。二十人以上の逮捕者を出しながら殺人罪では一人も起訴されず、闇に葬られたかに見えたが、四十一年たった今年、容疑者が急きょ逮捕され、有罪評決を受ける急転直下の展開を迎えている。 「エドガー・キレン被告(80)を故殺罪(計画性のない殺人)で有罪とする」。今年六月、同州フィラデルフィアの地方裁判所に集まった陪審員が評決を読み上げた。被害者の一人アンドリュー・グッドマン氏(当時20歳)の母キャロリンさん(89)は「恨んではいない。公平な審判が下るかどうかを見届けたかった」と淡々と語った。 車いすに座るキレン被告は対照的。地裁前のカメラマンや記者に向かい、こぶしを振り回しながら裁判所を後にした。 事件は「ミシシッピー・バーニング」の題名で映画にもなった。 黒人の選挙登録支援への機運が盛り上がった六四年、ニューヨーク州出身のグッドマン氏と友人は、ミシシッピ州出身の黒人の若者と活動を始めた。KKKは郡保安官と共謀し、スピード違反で「逮捕」された三人を拉致し射殺。遺体を人里離れたくぼ地に埋めた。 六七年の裁判では訴追された十八人中七人が共謀罪で最高十年の刑を受けたが、誰も殺人罪に問われなかった。主犯格と目されたキレン被告は陪審員の一人が反対票を投じたため評決が不成立となり、釈放された。 捜査を再開に導いたのはジェリー・ミッチェル記者(46)。地元紙で十五年前に事件担当となって以来「殺人者が裁かれずにのさばっているのは許せない」と、事件を追い続けた。米連邦捜査局(FBI)の極秘文書からキレン被告が殺害を主導したとの証言を九八年にスクープ、世論を動かす原動力になった。 地元の反応は様々だ。「これでミシシッピ州は過去を直視できるまで前進した」。公判の傍聴記録をブログに掲載し続けた大学院生ウィリアム・バードウェル君(24)はほっとした表情。量刑は懲役六十年で、高齢の被告には終身刑に等しい。「過去の裁判記録と、伝聞の証言という限られた証拠での訴追では最高の出来」とマーク・ダンカン検事(46)は胸を張る。 「キレン氏が三人を殺したとの具体的な証拠は裁判で提示されなかった。われわれへの糾弾は不当だ」。同州最大のKKK組織MWKKKKの教科担当官ウォルター・タイラー氏(44)は不満を爆発させる。 遺体を埋めた場所には当時の地主が住み続け、跡地に通じるゲートには「進入禁止」と赤ペンキで書いた看板。過去をほじくり返されたくない地元意識がくすぶる。 十四歳の黒人少年をリンチして殺害した「エメット・ティル」事件(五五年ミシシッピ州)や、公民権運動家の殺害事件など、過去の人種差別事件を再捜査する動きは各地に広がってきた。 一方で関係者や目撃者の高齢化は容赦なく進む。今回のように真相が解明され、歴史の暗部に光を当てられるのか――それは“時間との闘い”になりつつある。 (ニューヨーク=河内真帆) 【図・写真】車いすで法廷に入るキレン被告(6月、ミシシッピ州)=AP
by alfayoko2005
| 2005-08-28 14:11
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