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差別撤廃『条例』づくり始動 永田町は人権より政局 (東京 2005/08/28朝刊)
郵政民営化問題ばかりがクローズアップされている今回の選挙。しかし、強引な解散の陰で重要法案が葬り去られていた。部落差別、民族差別などを禁じる民主党の「人権侵害救済法案」と政府の「人権擁護法案」だ。政局重視の永田町の風潮に差別撤廃運動の関係者には失望感も漂う。が、「もう、国会議員にはまかせておけない」と自治体レベルでの「条例」づくりを目指す動きも出てきた。 (市川隆太) 差別被害者たちが法案成立を待ち望むのは、迅速に調査して、加害者への勧告や加害者名の公表を行う人権機関ができれば、裁判より短期間に救済されるからだ。 「外国人の方の入場をお断りします」との張り紙で北海道小樽市の民間温泉施設に入店拒否されたいきさつを著書「ジャパニーズ・オンリー」にまとめた米国カリフォルニア州生まれの大学助教授・有道出人(あるどう・でびと)さんたちの場合、一九九九年秋に小樽市に苦情を申し立てたが、裁判で民間施設に勝訴したのは二〇〇二年十一月だった。 静岡県浜松市内の宝石店に入店拒否されたブラジル人ジャーナリスト、アナ・ボルツさんの場合、一九九九年十月、「人種差別撤廃条約」を解釈基準に採用するという静岡地裁浜松支部の画期的な判決で店に勝訴したが、事案発生から約一年半かかった。 ■刃物で刺されたような気持ち… 有道さんのように、提訴後、「FUCK YOU」と書いた嫌がらせ手紙が届く「二次被害」にあったり、外国人お断りの飲食店経営者と名乗る人から抗議電話が来る例もあり、短期決着を求める声は強い。 やはり、長引きそうな事案は今も、起き続けている。京都府のデザイナー、スティーブ・マクガワンさん(40)が「黒人であることを理由に入店を拒否された」として、大阪府の眼鏡店代表を相手取り損害賠償請求訴訟を起こしたケースも、その一つ。マクガワンさんは「『かっこいい眼鏡がある店だから』と、友人の宣教師を連れて行き、ショーウインドーの前に立っていたら追い払われた。翌日、説明を聞きに行ったが、二日間で計四回、『黒人は嫌いだ』と言われた。ナイフで刺されたような気持ち」と話す。宣教師も黒人だ。 妻が日本人で、九五年の来日後は大阪府内で喫茶店を営んでいたマクガワンさん。日本人の友人も多く、以前は差別を感じたこともなかったが、「あれ以来、飲食店に入るときも、ふと『もしも拒否されたら』と考えてしまう。電車に乗っているときも、人間から眺められている、おりの中の動物になった気持ち」と訴える。 ■主張は食い違い時間要するかも 一方、眼鏡店の代表者は「こちら特報部」の取材に対し「弁護士に聞いてください」。代理人の弁護士は「人種差別に名を借りて、むしろ被告の人権が侵害されている。原告は日本語能力の点などで、事態をよく理解していなかった」と反論している。事実関係をめぐり、主張が大きく食い違っており、解決には、時間を要しそうだ。 民主党の人権侵害救済法案は今月一日に衆院に提出されたものの、小泉首相が解散カードを切ったことで、廃案の憂き目にあった。民主党は同法案成立をマニフェストに明記しているが、政権獲得しないかぎり実現は難しい。 自民・公明両党の人権担当者らがメンバーの与党人権問題等懇話会(古賀誠座長)も法務省に人権擁護法案の国会提出を求めていたが、自民党内から「在日朝鮮人が人権擁護委員になることを禁じる国籍条項がないのはおかしい」との強硬意見が出て、党内がゴタつくうちに衆院解散を迎えてしまった。同法案は、以前、法務省から国会提出されたが、二〇〇三年の解散で廃案となった経緯がある。 さらに、擁護法案の推進派、反対派の双方が、郵政民営化をめぐって、あっけなく賛否両派に分裂したため、「人権問題より政局中心に回る永田町」(人権団体関係者)を印象づけた。 もっとも、法務省・与党案は刑務所、入国管理局など強制収容施設を管轄する法務省の外局に「人権委員会」(仮称)をつくる点、メディア規制条項を削除せず、あいまいに「凍結」とした点などが、学者、弁護士らから批判されていた。民主党案は、人権機関を内閣府外局に置き、独立性を持たせるとしている。 このように政治がもたつく間も、納税義務を果たしながら入居・入店拒否にあっている外国人がおり、差別撤廃は待ったなしの問題だ。都内の二十代の在日朝鮮人会社員は「アパートの入居を拒否されたけれど、裁判を起こす時間もエネルギーもなかった」と話す。外国人問題に詳しい弁護士らは「韓国人は室内をピンク色に塗ってしまうからだめだ、というケースさえある」「台所が油っぽくなるから中国人は入居させない、という大家もいる」と指摘する。 ■「何が差別か」具体的に規定 こうした中、紛争解決を短期化させようと、東京弁護士会「外国人の権利に関する委員会」のプロジェクトチーム(PT)が「人種差別撤廃条例要綱試案」を作り、各地の地方自治体に制定を呼びかけようとしている。 日本は、人種差別撤廃条約の批准・加盟国のうち、何をしたら差別になるかを規定する法律がない、ほぼ唯一の国といわれる。「その点を、誰にでも分かるよう具体的に書いたものが必要と考え作った」と、同PT事務局長の師岡康子弁護士。入居差別や入店差別への罰則が設けてある。事件解決も目的だが、条例制定による差別の発生抑止も目的だ。 また、差別表現を行った公務員には罰則が設けてある。民間人に罰則はないが、条例違反となることには違いなく、被害者が民事訴訟を起こせば、不法行為として敗訴する可能性がある。 条例案では自治体首長の直轄機関「人種差別撤廃委員会」(仮称)を設け、非政府組織(NGO)、弁護士、医師らをメンバーとする。被害者から救済・予防を求められた場合は速やかに調査に乗り出し、半年以内に措置を講じなければならない、としている。 民事訴訟では、裁判官は原告・被告双方の主張を慎重に聞き比べるため、判決までに時間がかかる。それとは対照的に、同委員会は自ら積極的に調査し、迅速に解決することを条例で義務づけられるわけだ。 「被害者にとってうれしいのは『裁判を起こすのは金目当て』と言われなくて済むようになること」というのは人権NGO関係者。民事訴訟は、差別による損害を立証して賠償を求める形となるため、こうした、いわれなきひぼう中傷を浴び、二重に傷つく被害者も多い。しかし、人種差別撤廃委のような人権機関による救済ならば、そんなこともなくなるからだ。 PTでは、条例案の詳しい解説書を作って、各地の自治体に導入を呼びかけてゆくという。
by alfayoko2005
| 2005-08-28 14:39
| 国内政治
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