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何が問われるか:05年衆院選/5 「性別」超えた選択を=論説委員・青野由利 (毎日 2005/09/05朝刊)
日本の政界は歌舞伎に似ている。自民党の女性候補はそう例えた。男性が演じ、聴衆も筋書きを知って感情移入する、予定調和の世界だ。 これを聞いて腑に落ちたことがある。政界が歌舞伎なら、「自民党をぶっこわす」ことは「伝統的な男社会をぶっこわす」ことに通じる。小泉純一郎首相が売り物とする「変人ぶり」や「非情さ」も、男社会の原理を壊す道具になる。「地縁・血縁政治の否定」も同様だ。 だからこそ、小泉首相は次々と女性閣僚を登用してきた。これまでに8人を数える。そうした女性戦略が行き着いた先が今回の女性候補作戦だ。 彼女たちは華のあるエリートで、専門家としての経歴も業績もある。有権者の目にはいかにも自民党が女性登用を進めているようにみえる。が、現実はどうなのか。 今回、自民党が擁立した候補者346人のうち女性候補は26人で8%に過ぎない。社民党の31%、共産党の24%に比べ女性率は3分の1以下だ。 自民党が一般女性の社会参加に積極的に取り組んできた形跡もない。党内には「伝統的な男らしさ、女らしさ」に強い思い入れを示す人や、差別発言をした人もいる。 にもかかわらず、人間は「事実」より「イメージ」の力に惑わされる。それを利用するのが小泉マジックだ。郵政民営化でも「官から民へ」と改革のイメージを紡ぎだす。が、国民には中身がよくわからない。 キャリア女性が次々と小泉門下に入った背景には「男社会の構造改革」への共感もあるだろう。「女の視点」より「専門能力を」とさそった殺し文句も思い浮かぶ。小泉首相の生活感のなさもプラス材料だ。「同類」とみなされてもイメージが傷つかない。 女性作戦に「女を利用するな」という声もある。だが、女性側にも利用している要素はある。「与党の政治家にならないと政策が実現しにくい」と語る候補者もいる。 それでも、女性の特別扱いが過渡期の象徴であることは間違いない。衆議院の女性議員の数は解散前で約7%。世界の101位という低さだ。半数になれば、こんな騒ぎに意味はなくなる。 女性議員は必要だが、女性なら自分が求める新しいことをしてくれると思うのは幻想だ。改革では一致しても、別の政策では小泉首相が「敵」に回る可能性もある。自衛隊のイラク派遣や憲法改正といった問題で意見が対立した場合に、どこまで対抗できるか。 有権者は、候補者の性別やイメージではなく、実績と具体的ビジョンに注目する時だ。医学の世界では科学的データに裏付けられた「証拠に基づく医療(EBM)」が欠かせない。政治の世界にもこうした考えを持ち込まなければ真の改革は実現しない。
by alfayoko2005
| 2005-09-05 20:20
| 国内政治
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