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在外選挙権の制限は「違憲」 最高裁判決 2のつづき
社説2 最高裁の選挙権判断は当然 (日本経済 2005/09/15朝刊) 国民の普通の感覚では至極当然の結論だが「公職選挙法で在外邦人の選挙権を制限する規定は憲法に違反する」とした大法廷判決は、従来の最高裁の姿勢から一歩踏み出し国民の権利擁護のために政治の怠慢を戒めたものと評価できる。 1950年にできた公選法は外国に住む有権者に選挙権を認めなかった。98年の改正で比例代表選挙に投票できるようにしたものの、選挙区選挙の投票権は「当分の間」(同法付則)与えられないことになっている。裁判は「この制限規定は、成年者による平等な普通選挙を保障する憲法に違反するから改めるべきだ」と求める在外邦人らが起こした。 1、2審は(1)選挙人の資格を定める法律の内容は国会の判断に委ねられていて、選挙を公正かつ能率的に実施するために国民の選挙権行使に制約を加えることも許される(2)公選法の規定が憲法違反であることを確認せよとの請求は訴え自体が不適法――として在外邦人らの求めを退けた。これは政治の裁量を広く認める、従来の最高裁以下の司法判断の流れに沿う判決だ。現に大法廷でも14人中2人の裁判官が(1)の論理で「公選法の規定は憲法に違反しない」との反対意見を主張している。 今回の大法廷判決は(1)の考えを否定し「選挙権行使を制限できるのは、その制限なしには選挙の公正を確保できないような場合に限る」と政治の裁量を狭め、公選法の在外選挙規定は憲法違反とした。(2)については元々の請求は1、2審同様に門前払いしたが、二審で付け加えた「次の選挙からは選挙区選挙にも投票する権利があることを確認せよ」との請求を認め、さらに「立法の不作為」を理由とする国家賠償を初めて認容することで“救済”した。 判決理由で最高裁は、84年に提案された在外選挙制度を創設する公選法改正案が廃案になった後98年の改正まで「国会が10年以上の長きにわたって在外選挙制度を何ら創設しないまま放置し」「在外国民が投票することを全く認めなかったことは、やむを得ない事由があったとは到底言えない」と述べている。最高裁判決には珍しいきつい言葉で指摘を受けた国会は公選法の改正を急がなければ二重の怠慢になる。 春秋 (日本経済 2005/09/15朝刊) かつて経済企画庁長官もつとめた元参院議員の寺沢芳男さんは1992年に出馬するまで計12回の国政選挙で投票ができなかったという。米国で22年間過ごしたためで、当時の公職選挙法は在外邦人の選挙権を認めていなかった。 ▼自ら立候補した選挙も帰国直後で住民登録が間に合わず、選挙権は無し。そんな当時を振り返って「不思議」で「残念」で「滑稽(こっけい)」だったと書いている(『海外から一票を!』海外有権者ネットワークLA編)。98年には衆参両院の比例選に限って在外投票が可能になったが、選挙区では今も除外されたままだ。 ▼こうした公選法の制限は国民に平等な選挙権を保障した憲法に違反するとして海外在住者らが違憲確認や慰謝料を求めた訴訟で、最高裁大法廷は「違憲」との判断を下した。70万人超という海外有権者は留飲の下がる思いだろう。先日の衆院選比例で在外選挙人名簿に登録の手続きをとった約8万人の投票率は25.78%だった。 ▼法改正についての従来の国会審議で、海外には候補者の情報が伝わりにくいといわれたが、国際化、IT化の今、いかにもアナクロ的だ。都市出身者が多い在外邦人の票は野党を利するとの説も今回の選挙で空論と化した。多様な世論を反映させるためにも、海を越えた一票に期待したい。 在外選挙権制限は違憲 最高裁判決 立法不作為、初の認定 選挙区投票認める (産経 2005/09/15) 海外在住の日本人の選挙権が制限されていることについて在外邦人十三人が、「公選法は選挙権を保障した憲法に違反する」などと、国に対し選挙権を有することの確認と賠償を求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・町田顕長官)は十四日、公選法と同規定を違憲とする判断を示した。 判決は、選挙全体の参加を認めなかった改正前の公選法、比例代表のみ参加を認めた平成十年の改正法規定ともに違憲と判断。原告敗訴の一・二審判決を退け、国会の立法不作為を最高裁として初めて認めて原告一人あたり五千円の慰謝料支払いを命じた。 また、次期国政選挙の選挙区選への参加も確認した。国は早期の公選法改正を迫られることになった。 十四裁判官(津野修裁判官は公選法改正に関与したため回避)中、十二人の多数意見。最高裁が法令について憲法違反を判断したのは七回目。 判決は「やむを得ない事情なしに選挙権を制限するのは、選挙権を定めた憲法一五条などに違反」と初判断した。 その上で、改正前の公選法について、国が昭和五十九年に在外選挙制開始を内容とする法案を出しながら、廃案にしたことを指摘。「以後十年以上にわたって、何らの措置がないことは、やむを得ない事情があったとはいえない」と判断した。 比例代表のみの参加を認めた改正法の規定についても、「通信手段が地球規模で発展を遂げており、遅くとも次期国政選挙では選挙区選の投票を認めないことに、やむを得ない事情があるとはいえない」とした。 賠償については、「立法の不作為が憲法上の権利を侵害することが明白なのに、国会が長期にわたって立法を怠った場合には賠償の対象となる」とした。 訴えていたのは米・独など五カ国に在住中の十一人と、帰国した二人。「インターネットなどが普及した現在では、海外でも国政に参加する道が開けるはず」と主張していた。 国側は「限られた期間で立候補者情報を海外に周知することは困難で、制限はやむを得ない」と反論していた。 ◇ 【判決骨子】 在外邦人選挙権訴訟で、最高裁大法廷が十四日、言い渡した判決理由の骨子は次の通り。 一、改正前公選法が平成八年十月の衆院選で、在外邦人の投票を全く認めていなかったことは憲法違反 一、十年に改正された公選法が、在外邦人の選挙権行使を衆、参両院の比例代表に限定したのは、遅くとも次回の衆院、参院の選挙では憲法違反。原告は次回の衆院、参院の選挙区選挙で投票できる地位にある 一、八年十月の衆院選までに、国会が在外邦人の投票を可能にする立法措置を取らなかったのは違法。国は慰謝料支払いの義務を負う 手続き複雑…低投票率 ネット利用解禁 議論加速も (産経 2005/09/15) 在外選挙は、増加する海外の有権者の間で関心が高いものの、手続きが複雑なうえ、「選挙区が投票できない」などの理由で投票率は低いのが現状だ。 現在の在外選挙は、平成十年に改正された公職選挙法に基づき、衆参の比例代表に限って実施されている。選挙権を持つのは満二十歳以上の日本国民で、同一の領事館の管轄区域に三カ月以上住む人。 「選挙区も実施すべきだ」という意見に対して当時の政府は、「政党名はなじみがあるが、選挙区に立つ個人の政見や人柄を短期間で海外に公平に伝えるのは難しい」と国会で答弁している。 しかし判決も触れているように、現在はネット社会。インターネットを利用すれば、海外であっても、日本と量的にも時間的にも同様の情報をキャッチすることが可能になった。海外ではネットが選挙活動で積極的に利用されている。 日本は公職選挙法に触れる可能性があるため、選挙活動にネットは活用されていない。多くの国会議員がホームページを持っているが、十一日投開票の衆院選でも候補者は公示後、更新を止めているのが実情だ。ましてやネットでの投票などはまだ現実味を帯びない。 平成十六年の在外邦人は九十六万人。二十歳以上の推定有権者数は七十二万人だが、衆院選での名簿登録率は12%、投票率は3%だった。関係者は「手続きが複雑なことと、選挙区での投票ができないことが低率の原因ではないか」と話す。法改正で選挙区での投票が可能になった場合には、「海外有権者への情報提供手段としても選挙へのネット利用解禁の議論が進むはず」との指摘もある。 米国に一昨年まで三年間駐在していた銀行員の男性(32)は「投票できるようになるのは望ましいが、同時に投票の手続きを簡素化すべきだ。駐在中は、投票しにくくするために、わざと面倒な仕組みにしているのかと思ったほどだった」と情報提供とともに、手続きの簡素化を訴える。 また、昨年の参院選、比例代表に自民党から出馬し、落選したパラグアイ在住の邦字新聞社社長、高倉道男さん(64)も「前回の参院選では海外でも選挙運動を行ったが、有権者の関心は低かった。在外有権者は七十万人以上にのぼり、最終的には海外選挙区を設置するのが理想だ。今回のような突然の解散では選挙当日に間に合わない恐れがある。国は一層の手続き簡素化に取り組んでほしい」と話している。 ■【主張】在外投票制限違憲 急ぎ公職選挙法の改正を (産経 2005/09/15) 海外に住む日本人の選挙権が制限されているのは「普通選挙の保障」を定めた憲法に違反するとして、米国在住者らが国を相手に、公職選挙法の違法確認や損害賠償を求めた訴訟で、最高裁大法廷は訴えを認め、公選法の規定は違憲とする判断を示した。 どこに居住していようと、日本国籍を持つ者は平等に選挙権を持つという国民主権の原則を示したものだ。一、二審で“門前払い”だった訴訟に対し、最高裁が憲法問題として、正面から取り組んだ姿勢は評価したい。 十三人の原告は平成八年、当時の公選法では国内在住の有権者にしか選挙権がないのは違法-などとして提訴した。その後、国は十年に公選法を改正し、海外の有権者に衆参両院選挙の比例代表に限って選挙権を与える在外選挙制度を導入した。 しかし、今回の衆院選を例に取ると、定数四八〇のうち、選挙区は三〇〇、比例代表は一八〇だから、比例代表に限定されている海外在住者の投票権利は四割弱に過ぎない。不公平感が生じて当然だろう。 こうした背景から、原告は選挙区での選挙権の確認や、一人当たり五万円の損害賠償-などを求めて争ってきた。最高裁では憲法判断や判例変更の必要性が生じた場合に開かれる大法廷に回付して審理していた。 公選法が違憲と判断された意味は重いが、在外選挙権の制限は国会の裁量権に属するとする裁判官もおり、解釈の難しさが浮き彫りになった。 額はわずかだが、損害賠償が認められたことの意味も大きい。損害賠償にはなじまないという反対意見はあったが、国民の基本的な権利の行使に必要不可欠な法律を改正せずに、違憲状態にしていた国や国会の怠慢(立法不作為)が初めて認定された。 ただ、在外有権者にも注文したい。海外に住む日本人有権者は七十二万人と推定されているが、選挙権を有する登録者は八万三千人に過ぎない。今回の衆院選では二万一千人しか投票しなかった。低投票率の事実をもう少し考えてもいいのではないか。 国民に与えられた選挙権という基本的権利は平等でなければならない。今回の最高裁判決を受け、国は早急に公選法改正に取り組むべきだ。
by alfayoko2005
| 2005-09-15 11:42
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