下着選びで美しく - 読売

生活塾　メンテナンス　下着選びで美しく（2005年9月20日 読売新聞）

（写真）「胸の下のバージスラインが、合った下着を選ぶコツ」と福田芳子さん（右）（東京・麹町の「ワコール東京店」で）“プロ”の目で必ず採寸・試着

　細身のパンツやニットセーターなど、体にぴったりした服が流行しています。そうすると、気になるのが下着の線。背中やお尻などをすっきりと美しく見せるには、どうしたら良いのでしょうか。専門家に聞いてみました。

　下着メーカー「ワコール」（本社・京都）で販売員の教育を担当する福田芳子さん（４４）は「正しい下着をきちんと着けている人は、お客様の約半分。プロが見れば、洋服の上からでも『合っていない』とわかります」と話します。背中やおなかの肉が段になって盛り上がっていたり、胸の脇やお尻の肉がはみ出ていたりするからです。

　合わない主な原因は〈１〉正しいサイズを着けていない〈２〉着け方に問題がある〈３〉洗濯などで型くずれしたものを着ている――ためだそうです。

　まず、下着が自分に合っているかを点検しましょう。


　乳房の下、付け根の輪郭線を「バージスライン」と呼ぶそうです。その線とブラジャーのワイヤの幅が合致するのが第一条件。夜、下着を外したら鏡を見て、胸に残った跡を確かめます。乳房に食い込んでいたり、バージスラインより下がっていたりしたら、合わない可能性があります。

　年を重ねると、女性の乳房は横に広がり、垂れ下がる傾向があります。昔のサイズをそのまま着けている人が意外と多く、「下着を購入する時には、必ず採寸と試着を」と福田さん。「合わないサイズは、肌の黒ずみ、かゆみを引き起こし、体形の崩れや肩こりの原因にもなります」。販売員など“プロ”に見てもらうのが一番簡単です。

　個人差もありますが、生理の前後で胸のふくらみが違います。下着の購入は、胸が張る生理中は避け、生理後にしてください。生理中はいつもより深いカップを使うなど、時期に応じてサイズや形が異なるブラジャーを用意すると快適に過ごせます。

　◆手の届く“理想”めざして

　次に着け方です。ブラジャーは、４５度に前かがみになり、左のバストを右の手で斜め上にすくい上げるようにしてカップの中に納めます。右のバストも同様です。正面だけでなく、横からも鏡で眺めて、カップから胸が盛り上がっていないか、あきが大きすぎないかなどを確認します。

　バストの位置はウエストと肩の中間あたり、乳間（乳頭と乳頭の間）は肩幅の約半分になるのが理想です。

　ガードルは、太ももの後ろ側をすくい上げるようにして持ち上げ、お尻をガードルの中に納め、一度屈伸してみます。肉がはみ出たり、食い込んだりするならサイズが合っていません。ガードルは横から見て前後水平に履くのが原則ですが、間違って斜めに履く人が多いそうです。

　下着と上手につきあうには「自分の体を客観的に知ること。その上で、どう見せたいか、届く範囲で理想の体形を考えて、戦略的に下着を選んで」と福田さんは勧めます。

　ウエストのくびれを演出するなど、様々な補正下着が開発されています。細く見せようと合わないサイズを選ぶのは論外ですが、自分に合ったサイズの範囲内で理想の体形に近づくことは可能だとか。

　「下着選びは、自分の体を見直すきっかけになり、体形維持にも役立ちますよ」と福田さんは話しています。

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　◆“寿命”ブラは１年

　下着にも寿命があります。

　ワコールによると、週に１度着けたとして、ブラジャーの寿命は約１年。洗濯の仕方、使い方で寿命は変わります。

　ブラジャーなら〈１〉カップの張りがなくなってきた〈２〉形が崩れてきた〈３〉カップ脇の生地が薄くなってきた――などが買い替え時期の目安。

　ブラジャーは原則手洗いで、陰干しに。干す時は、伸びやすい肩ひもではなく、カップの下や真ん中の布の部分を洗濯ばさみで挟み、形を整えて干すようにします。

　ガードルやショーツも、生地が薄くなったり、すそがめくれるようになったりしたら寿命です。

今週の３か条
・合わない下着は、体の線を崩す
・プロの意見を聞こう
・自分の体をよく知る