出産直前被告に手錠措置 法相が容認 (東京 2005/09/27夕刊)

出産直前被告に手錠措置　法相が容認 (東京 2005/09/27夕刊)

　東京拘置所に収容されていた被告の女性が、出産直前まで手錠がかけられていたことについて、南野知恵子法相は二十七日の閣議後記者会見で、「逃亡防止のために、適正な措置を取ったものと承知している」と述べ、現場の措置に問題はなかったとの考えを示した。

　女性が医療上必要がないのに陣痛促進剤を使用されそうになったことについては、「いろいろな状況の中での医師の判断であり、いい悪いは言えない」と述べた。

大臣閣議後記者会見の概要 2005/09/27

【東京拘置所における被収容者への対応に関する質疑】
Ｑ：ちょっと前の報道になるんですけれども，東京拘置所に収容中の被告の女性が，陣痛促進剤を使用されそうになったと，また，出産直前まで手錠を掛けられていたという報道があったんですけれども，大臣の見解と，医療のプロとしての御自身のお考えについて伺いたいのですが。

Ａ：矯正施設の被収容者の方々が出産をされる場合には，子どもの出生場所が矯正施設の住所とならないように外部医療機関の協力を得て，当該医療機関で出産ができるように配慮しているところでございます。その場合における医療機関の措置の内容については，専門家である医師がその方のお産の状況というものを鑑みながらされることであろうと思っております。その方がどのようなお産の状況にあったのかというのは，私存じ上げておりませんので，陣痛促進剤を使った方がいいとか悪いということは申し上げることはできませんけれども，私の過去の経験からお話をするならば，ある状況下において，例えば，破水があってしかも陣痛が来てない状況では，胎児のリスクを念頭に，陣痛促進剤で陣痛を誘発しようということは，ドクターの適正な処置診断の下に行われ得ることだと思っております。

Ｑ：あと，手錠使用については・・・。

Ａ：これは裁判所が発しました勾留状により勾留中の刑事被告人であり，勾留場所である東京拘置所外に搬送されるような場合には，法令に従いまして，逃走防止等のため，必要な措置を講じなければならないと。東京拘置所におきましては，そのための適正な措置を執ったものと私は承知いたしております。