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〈教育ルネサンス〉子供の発達に応じた性教育 現場は試行錯誤 (読売・栃木版 2005/09/27朝刊)
子供の発達段階に応じた性教育の必要性が叫ばれている。性の低年齢化に伴う性感染症などの問題が広がりを見せる反面、「行き過ぎた性教育」などの批判もあり、教育現場は、まさに試行錯誤の状態。産婦人科医による講話を開いた宇都宮市立宝木中学校と、エイズ教育などを通じて命の尊さを伝える塩谷町立大宮小学校の試みをリポートする。(上田詔子) ◇ ■宝木中学校 生徒数438人 ◆性病知り「避妊考えたい」 体育館の明かりが消され、産婦人科医上地博人さん(43)の講話「10代の妊娠中絶、性感染症や避妊など」が始まった。受講者は3年生の男女約130人。最初はざわついていた生徒も、胎児の超音波画像や、産まれたばかりの赤ちゃんの写真がスクリーンに映し出されると、徐々に引き込まれていく。 「もし今、あなたが妊娠したら?」「赤ちゃんをどう育てる?」「将来の夢は?」「学校はどうしようか?」。上地さんは、そう生徒に語りかけ、人工中絶数に占める10代の割合が、年々増加していることを示すグラフを見せた。「決して他人事ではありません」 次に、ヘルペスやコンジローマを患った性器の絵を見せ、性感染症の恐ろしさを解説。「不妊になる可能性もあります」と説いた。 そして、望まない妊娠や性感染症を避けるために、〈1〉性交などをしない〈2〉コンドームをつける――の二つの選択肢を示し、最後に「自分と相手の、将来や健康に責任を持つ心構えが必要です」と強調した。 講義後、男子生徒(15)は「性交の危険性がよく分かってなかった。軽率に行動せずに、きちんと避妊について考えたい」と多くを学んだ様子。ある女子生徒(15)は「何となくは聞いていたが、性病は怖いと初めて知った。体が傷つくのは女性なので気をつけたい」と話した。 学習指導要領では、小学校で初経や精通、中学校で受精と妊娠について学ぶことになっている。 上地さんが使った教材は、日本産婦人科医会が作ったスライド。「男女が互いの人格を尊重する気持ちを育てる」という授業の趣旨に沿い、約30枚を選んだ。事前に、望ましい中学生の男女交際のあり方などについて生徒にアンケート調査を行い、泉登貴子養護教諭(55)や学年主任と念入りに打ち合わせもして、講話の内容を決めた。 中学生は、性意識や心身の発達に個人差が大きいため、宝木中ではコンドームの使い方や性交の方法を全員に教えることはしない。指導が必要な一部の生徒だけに個別指導をしている。 会場で講話を聴いた母親(40)は「同級生と交際していた娘に、どこまで教えるべきか迷っていた」と吐露し、「肉体関係は持って欲しくない。避妊についても、性交を認めているようで、何も話せなかった。しかし、情報がはんらんしている今、正しい知識を伝える必要があると感じた」と話した。 中学校で産婦人科医が講話を行う、宇都宮市の「性教育サポート事業」は、2002年度から始まった。 「寝た子を起こす必要はない」と性教育に懐疑的な意見も根強いが、出産、中絶などを経験した10代の女性を対象に行った県の調査(01年)では、初めて性交した平均年齢は15・5歳、4人に3人が「妊娠を望んでいなかった」と答えたという現実もある。 泉養護教諭は「産婦人科医なら、性が持つ陰のイメージを払しょくし、子供に性の尊厳を語り聞かせることができる。学校の教師が、こう説得力を持たせるのは難しい」と、医師による講話の意義を話す。 ■大宮小学校 児童数102人 ◆エイズの現実学び、命考える 「大切な命」――。こう題した布の掲示物が廊下に張り出されている。受精卵が子宮に着床してから、産まれる直前までの胎児の発育を示した図だ。「先生にも、赤ちゃんが産まれたんだよね」。児童は、最近出産した教師の名前をあげ、布でできた胎児をなでた。 大宮小は昨年度まで3年間、文部科学省のエイズ教育(性教育)推進地域事業の指定校だった。エイズ教育を通して、性に関する正しい知識を身につけ、生命を尊重し、豊かな心を育てることが目標だ。 学級活動や総合的な学習の時間などを使い、低学年は男女の体の違いや体を清潔にすることを学び、高学年では、図書などでエイズについての情報を集め、様々な立場の人々が共生する大切さや命の尊さを学んだ。 指定期間が過ぎた今年度も、6年生は7月、産まれた直後の輸血でエイズウイルス(HIV)に感染した米国人少年のドキュメンタリービデオを見た。多くの住民がエイズの正しい知識を持たない町で、学校や教会から排除されて苦しんだ少年の体験談だ。 「エイズの友達と仲良く過ごすために必要なことは、どんなことでしょう」。担任の坂本尚子教諭(33)が問いかけると、児童は、「『エイズは弱いウイルスだから空気感染はしない』と、みんなに説明する」「いじめられていたら助けてあげる」など、思い思いに発言した。 児童にとって、エイズは身近なこととして捕らえにくいテーマだが、児童が、エイズの現実を知り、自分や他人の命について考えた成果は大きいようだ。 4年生以上を対象にしたアンケートでは、「エイズにかかっている友達がいたら、普通の人と、同じように接したい」と答えた児童は昨年度89%に上り、02年度より35ポイント増えた。また、「男または女に生まれてきて良かった」という回答は91%に上り、02年度より10ポイント近く伸びた。自分の命を慈しみ、人権を尊重する心がはぐくまれたことが分かる。同校では、教師も児童も、名札に小さな赤いリボンを入れている。エイズ患者や感染者への理解と支援を求めるシンボルの「レッドリボン」だ。 図=15―19歳女子1000人あたりの人工中絶実施数(栃木・全国) 写真=胎児の発育を示した掲示物。布でできた胎児は、ぬくもりを感じさせる(塩谷町立大宮小学校で)
by alfayoko2005
| 2005-09-28 00:31
| ジェンダー・セックス
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