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[4SITES]フェミニズム(1)城西国際大学学長・水田宗子さん68 (読売 2005/10/03夕刊)
◆性差は社会の権力構造 フェミニズム研究が、戦後の日本社会における女性の地位向上に果たした役割は大きい。一方で男女による役割分担の意識は根強く、多様化する社会の中で女性の立場はいっそう複雑化している。4人の識者に考え方を聞いた。 30代、未婚、子ナシ女性の立場を代弁した『負け犬の遠吠え』(酒井順子著)、出産を通じて女性の身体性を取り戻そうと訴える『オニババ化する女たち』(三砂ちづる著)など、現代女性の生き方を論じた本がベストセラーとなり、読者の間で世代を超えた激論に発展したのは記憶に新しい。 こうした議論がオープンになされるようになった点は評価する、としながらも「わずか数十年前まで、家庭にしばりつけられる苦しさこそが、女性の大問題だった。女性がいつ子供を産み育てるかは、自分が決めること。ようやく勝ち得た自由ですから、堂々と行使すべきです」。迷走気味の議論を一刀両断した。 20世紀の女性運動は、法律や社会制度における女性差別を解消し、男女の平等を勝ち取る戦いから始まった。市川房枝を中心とする婦人参政権運動をはじめ、様々な女性の権利獲得運動を経て、戦後、女性の人権と男女平等を保障する新憲法が制定される。 自身も研究者として参加した戦後女性運動について、「文化の構造を問い直し、女性の生き方や男女、家族の関係に大きな変容をもたらした」と自負する。 1960年代以降、フェミニズムは人々の意識や習慣に潜む差別を問題視し、より根本的な社会変革に取り組むようになった。20世紀前半に「仕事か家庭か」の二者択一を迫られた女性は今日、少子高齢化を背景に国から「仕事も家庭も」と請われる時代になった。 99年に男女共同参画社会基本法が成立した。だが「戦後憲法で、世界でも数少ない男女同権を明文化した国で、なぜ新たな法律が必要なのか。肝心の本音の部分で、この国は女性が生きにくい社会であり続けている」と指摘する。社会や家庭、職場において、現実に男女はいまだに対等ではない。女性には女性らしさが依然として求められ、給与や労働条件に格差があり、セクハラ問題がある。 フェミニズムは、男らしさ、女らしさといった社会的な性差(ジェンダー)を問題にする。「性差は社会の権力構造そのもの」。なぜなら、性差による不平等が社会のあり方を規定するからだ。 国や時代によって、性別役割は驚くほど異なる。ジェンダー研究を基本に、宗教、言語、家族から法律、生殖医療や美意識といったテーマまで分析、研究する必要性を訴え、城西国際大学に日本初の女性学の大学院コースを開設した。 「環境やテクノロジーなどの問題に取り組みたいと思っても、女性の場合は資金調達やリーダーシップの面で、社会的ハンデが大きい。女性が大きな問題と向き合うには、それをはばんできた制度や文化構造を様々な領域で分析し、壊すことで社会を進展させていかなければなりません」 従来のフェミニズムや女性学は女性主導で、おもに女性の意識を改革する運動だった。しかしこれからは「フェミニズムの枠をより広げていくことが重要」と強調する。「男性も自身の性別役割に対する意識を変え、男女両方が性差によってプレッシャーを受けずに自由に自分の人生を選択できる社会を目指したい」 (西田朋子) ◇ ◇みずた・のりこ フェミニズム文芸批評の先駆的存在で、著書に「二十世紀の女性表現―ジェンダー文化の外部へ」(学芸書林)、「女性学との出会い」(集英社)など。日本女性学会創設にかかわった。 写真=水田宗子さん
by alfayoko2005
| 2005-10-04 01:06
| ジェンダー・セックス
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