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日本シエーリング、ピル普及の壁に挑む――女性執行役員、マーケティングで奮闘 (日経産業新聞 2005/10/05)
「生活の質」向上説く 医療関係者にアピール 平均寿命八十五歳――。一九九九年に国内解禁した低用量ピル(経口避妊薬)は世界一長寿の日本女性に、生き方のデザインを手助けする生活改善薬だ。だが普及率はわずか一%。日本シエーリング(大阪市)の藤井光子執行役員(41)は、この厚い意識の壁に新風を吹き込もうと、啓発型のマーケティングに奮闘する。 ポスターを作製 「OCがある、という私のくらし」。日本シエーリングではフィーメールヘルスケア事業部が中心となり、OC宣言ポスターを作製した。八月から全国二千五百カ所の産婦人科専門病院に配布を開始。あわせてOCに関する知識や疑問をわかりやすく解説した「OCコミュニケーションボード」も待合室などに設置している。 OCとは「Oral Contraceptives」の略。つまり経口避妊薬(ピル)を指す。ピルとは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を化学的に合成した配合剤で、第一の目的は望まない妊娠を回避するための薬だ。 藤井氏率いる七十人の同事業部は今年三月からの半年間、女性のQOL(生活の質)を高めるための勉強会を全国十カ所で開催してきた。医師や看護師を対象に、更年期障害や子宮内膜症など女性に特有な疾患への理解を深めてもらうセミナーだ。まずは医療の専門家が女性のQOLを支援できる受け皿になってもらいたいとの狙いがある。 親会社の独シエーリングは、ピルや子宮内避妊器具など婦人科領域に強い医薬メーカー。中でもピルは世界トップシェアをもつ。ドイツでのピル普及率は五八%に達する。一方の日本は一%。同社発売のピル「トリキュラー」も国内シェアは三八%と首位だが、課題は普及率の低さにある。 同社がピルの避妊薬としての薬効を前面に押し出さず、一見遠回りな訴求活動を展開するのにはわけがある。まず、消費者(患者)に対する医薬品(大衆薬除く)の直接宣伝・広告を禁じている日本の薬事法の存在だ。 だが本質的な理由は別のところにある。 経済負担も問題 ピルは処方しなければ命を落とすという性質の薬ではない。ED(勃起不全)治療薬や育毛・発毛剤も同じだ。国外ではライフスタイルドラッグとも呼ばれるこうした生活改善薬は、個人の生活の質を良くするのが主な目的。医療保険の対象外となるケースが多く、服用者の経済負担が重くなりがちな面もある。 こうしたハンディを踏まえ、製薬会社が力点を置くのが疾患啓発活動だ。個人にまず症状を認識してもらい、治療が可能なことや治療にも選択肢があることを伝えて病院に足を運んでもらう。医療行為を施す側にも最新の薬剤知識などを紹介し、専門医育成への支援環境を提供しながら啓蒙(けいもう)する。 現代の日本女性は平均十二歳で初経を迎え五十歳で閉経するまでに約四百五十回もの排卵と月経を繰り返す。専門医らによると、昔は一人の女性が生涯で経験する月経回数は五十回ほどだったという。初経年齢が今より遅く閉経も早かったほか、出産や授乳期も含め無月経の時期が頻繁にあったためだ。 九倍の月経数増加は女性の生理に、月経痛の増加をはじめ、子宮内膜症や卵巣がんの発症リスクを高める。さらに月経痛による社会的経済損失は年間約一兆円にのぼるとの調査データもある。 最近ではピルを生活改善薬として服用する女性が増えている。済生会富山病院の種部恭子産婦人科医長は「処方女性の三分の二以上が避妊以外の目的でピルを服用している」とし、「ホルモンの揺さぶりを少なくするようなピルによる治療は現代女性にとって必然のヘルスケア」と話す。 藤井氏は外資系広告代理店などを経て二〇〇三年に日本シエーリングに入社した。「日本では年間三十八万人が人工中絶を繰り返している。君はそれを知っているか」。現社長のホセ・マルティーノアルバ氏の言葉に促され、同社でピルとかかわることになった。昨年四月に同社で初の女性取締役に就任、今年一月から執行役員を務める。 「女性のからだのしくみは女性でも意外と知らない」(藤井氏)。自らもピルを飲み始め「月経前のイライラなどが驚くほどなくなった」と明かす。「来年は生殖内分泌学など医学部でも教えられていないテーマを取り上げたい」と、活動の地道な継続を誓っている。(三好博司) ▼経口避妊薬(ピル) 女性ホルモンの入った錠剤を一日一回一錠飲むことで主に排卵を抑える。一九六〇年に初めて発売され、世界で約一億人が服用しているとみられる。主な副作用は吐き気、頭痛、乳房のはりなど。避妊のほかに、月経痛の減少、貧血の改善などの作用もある。 【図・写真】経口避妊薬のマーケティングのミーティングを行う藤井光子フィーメールヘルスケア事業部長(右から2人目)=東京都品川区の日本シエーリング 日本シエーリング
by alfayoko2005
| 2005-10-05 17:16
| ジェンダー・セックス
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