"Beautiful Boxer" 主演、アッサニー・スワン

［映画インタビュー］「ビューティフル　ボーイ」主演、アッサニー・スワン (読売 2005/10/07夕刊)

　◆ムエタイに彩り尊敬深める　

　女装のムエタイ選手の半生を描く「ビューティフル　ボーイ」が、１５日から東京・新宿のシネマスクエアとうきゅうなどで公開される。主人公パリンヤーを演じるのは、オーディションで選ばれたアッサニー・スワン＝写真＝。元プロのムエタイ選手だ。

　「オーディションはタイ全土に告知されたので、友人と興味半分で参加した。まさか自分が選ばれるとは」とスワン。選手生活の絶頂期にあったが、引退して撮影に臨んだ。

　パリンヤーとは同世代。対戦の機会こそなかったが、その存在は知っていた。

　「化粧をして試合をするなど表面的なことで話題になったのだったら、それは神聖なムエタイを汚すもの。しかし、技も型も正統。ムエタイに彩りを添えた人だと思う」と評価する。

　映画のテーマは性同一性障害。卓越した技で勝利を重ねるパリンヤーだが、男性であることに悩み、女性ホルモン剤を飲み始めたころから戦績が悪化していく。

　「最初は、彼の人生や心情を理解できなかった。演じるうちに、外見の悩みだけではなく、家族の貧しさ、社会の偏見などをどう克服していったかを知り、今まで以上に彼を尊敬するようになった」

　本作でタイのアカデミー賞「スパンナホン賞」の最優秀男優賞を獲得。華々しいデビューを飾ったが、「芸能活動でも、最善を尽くすだけ」と謙虚だ。

♪　英語タイトルは"Beautiful Boxer"