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アリート判事、上院本会議で承認へ 米最高裁、保守色進む?
2006年 1月26日 (木) 03:01 産経 中絶規制擁護、政府権限拡大 民主党の追求かわす 米上院司法委員会は二十四日、サミュエル・アリート連邦高裁判事(55)を連邦最高裁判事に指名した人事を賛成多数で承認した。上院本会議でも近く承認する見通しだ。妊娠中絶や大統領権限など重要問題で最終判断を下す最高裁の判事は終身制であり、米国の内政や社会に大きな影響を与える。しかも、保守派とされるアリート判事の承認は最高裁の“勢力図”を変える可能性もはらむ。承認をめぐる攻防や最高裁の今後の行方をまとめた。(ワシントン 樫山幸夫 有元隆志) アリート氏の指名承認をめぐる公聴会は九日から十三日まで五日間にわたり行われ、米メディアは連日、詳細に報じた。 アリート氏は初日、生い立ちを説明、父親が年少でイタリアから移民、苦学してニュージャージー州議会職員になったこと、母親は教師で両親から学ぶ大切さを教わり、同州にある名門プリンストン大に入学、法律家になったことを披瀝(ひれき)した。 レーガン共和党政権下で司法次官補代理、ニュージャージー州検事を経て一九九〇年から十五年以上、高裁判事を務め、これまで数百件に上る裁定を下してきたという。 豊富な判事、検事経験を強調したのは、ブッシュ大統領が当初、指名した大統領法律顧問のハリエット・マイヤーズ氏が判事経験がなく中絶問題などをめぐる考え方が明確でないと、保守派から適性を突かれ、指名辞退に追い込まれたためだ。 アリート氏指名はむろん保守派を喜ばせた。これに対し、民主党は最高裁の「保守化」が進むと懸念を強め、公聴会でも中絶や大統領権限などについて厳しく追及した。 中絶問題では、中絶を規制するペンシルベニア州法を擁護した過去を捉(とら)えて繰り返し見解をただし、同氏は「公平に問題に取り組み、議論に耳を傾ける」で逃げ切った。 同氏は国家安全保障問題での政府権限拡大を唱えたことがある。加えて、国家安全保障局(NSA)の令状なしの通信傍受を大統領が認めていた問題は現下の焦点だ。 このため、質問は大統領権限にも集中した。ただ、大統領が議会の承認なしに戦争に踏み切る権限があるかどうか質問された同氏は「多くの議論がある事柄だ」と、明確な立場は示さなかった。 民主党は、アリート氏が女性や人種的少数派の入学に否定的なプリンストン大出身者の保守グループに属していたと暴露戦術にも出たものの、同氏は積極的には活動していなかったとかわした。 ある上院議員が「隠れ差別主義者か」とたたみかけたとき、同氏のすぐ後ろで見守っていたマーサ・アン夫人は耐え切れずに涙を流し、一時、退室する場面もあった。 批判の急先鋒(せんぽう)、民主党のケネディ上院議員もハーバード大で女性会員を禁じていたクラブのメンバーだったと暴露されるなど、共和、民主両党は非難合戦まで演じた。 二十四日に行われた司法委員会(十八人)での採決は、賛成十人、反対八人で、共和、民主両党間でくっきりと賛否が分かれた。 本会議での採決も同様の党派対立を反映したものになると予想される。AP通信によると、五十五人の共和党議員のほとんどはアリート判事支持を明確にしており、承認は固いとみられている。 ◇ ≪法廷“勢力図”変わる可能性 内政・社会問題判断に影響も≫ アリート氏の最高裁判事指名が承認されることにより、保守、リベラル、中間の各派が微妙な均衡を保ってきた最高裁が保守に傾く可能性も出てきた。一方で、中立役を担う判事が新たに登場することも予測され、今後の法廷を色分けするのは、必ずしも容易ではない。 米最高裁判事の人事は日本に比べてはるかに政治色が強い。国民生活に密接にかかわる問題で、最高裁が合憲、違憲の判断を下すことが少なくなく、時の政権が自らの政治哲学に沿う判事を任命しようとするからだ。それへの反発が起きるのも当然であり、議会を中心に指名された判事の適格性をめぐり激しい論議が展開されることになる。 米国では妊娠中絶、同性結婚、アファーマティブ・アクション(少数派優遇措置)など共和、民主両党のみならず国全体も二分する問題がしばしば最高裁に持ち込まれ、憲法判断に委ねられる。中絶にせよ、アファーマティブ・アクションにせよ、最高裁は合憲判断を示したことはある。だが、最終的な決着が付いたということではない。最高裁は時代の変遷に伴って憲法判断に変更を加えることができるからであり、その意味で、こうした問題は最高裁にとって“永遠のテーマ”だ。裁判所が違憲立法審査権を行使するケースはごくまれである日本とは、大きく違うところだ。 その米最高裁の判決、決定を大きく左右するのが、長官以下九人の判事の保守、リベラル、中間各派の“勢力分布”だ。現在までの色分けを見ると、案件次第で多少の変動はあったものの、保守派はロバーツ長官、スカリア、トーマスの三判事。リベラル派はギンズバーグ、ブライアー、スティーブンスの三判事。オコーナー、ケネディ、スーターの残る三判事が中間派とみられていた。 ただ、ケネディ判事はどちらかといえば保守派に同調、スーター氏はリベラル派にくみすることが少なくなく、オコーナー判事がキャスチングボートを握っていたともいえる状況が続いていた。 今回の指名はオコーナー判事の勇退に伴う人事で、アリート氏がオコーナー氏と同様の立場を取れば、やはりキャスチングボートを握ることになるとみられている。 しかし、指名承認公聴会での証言などから、アリート氏は保守派に属するとみる向きが多い。その場合には、バランスを取る判事不在の中で、「保守派五-リベラル派四」という構図になって、保守派が優勢になるとの見方が可能だ。となれば、今後、妊娠中絶、同性結婚、アファーマティブ・アクションなど大命題をめぐる憲法判断に大きな影響が出てくるのは間違いない。 だが、そうした状況になるのは確実かというと、そうとも限らない。案件によっては中立的な立場を取ってキャスチングボートを握る判事が出てくるという見方もあり、実際、これまでにも勢力が拮抗(きっこう)したときにはそうした判事が現れてきたことも、この観測の根拠になっている。そして、ともに保守派であるロバーツ長官とケネディ判事が、その役回りを演じるのではないかともささやかれている。
by alfayoko2005
| 2006-01-26 13:10
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