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ワーキングウーマン――どうなる男女共同参画、猪口担当相に聞く(生活) (日本経済2006/01/23夕刊)
第2次基本計画 意識の構造改革急げ 昨年末に閣議決定された第二次男女共同参画基本計画。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現や女性の地位向上に向け、今後五年間の方針が決定された。新計画で女性を取り巻く環境はどうなるのか。猪口邦子少子化・男女共同参画担当相に聞いた。 ――第二次計画についてどう考えるか。 「二〇二〇年までに指導的地位に占める女性の割合を三〇%にするという目標の設定など、新しい政策をいくつも盛り込むことができた。一度家庭に入った女性の再チャレンジ支援も打ち出し、予算化も二〇〇六年度から可能になった。科学者の採用拡大など、これまで見落とされがちだった分野での女性の参画を強化する取り組みも多く盛り込まれている」 「少子化対策とも大きくかかわるが、家庭と仕事の両立支援も重要な柱だ。育児休業がとりやすい環境づくりなど、多様な働き方の普及についても明記した。現在、働く女性の七割が育休を取得しているが、それ以前に出産を機に退職している人が七割いることを見落としてはならない。男性の取得率は一%以下で、スウェーデンなど先進国との差は歴然としている」 ――ジェンダー(社会的性差)の記載や定義については各方面から様々な意見が出された。 「現場でかなりの混乱が起きているという指摘を受けて、まず『社会的性別(ジェンダー)』という簡潔な日本語表現を打ち立てた。『男は仕事、女は家庭』といった、社会的に作られた固定的な役割分担を意識するには不可欠な視点だ。諸外国や国際機関では一般的な概念として使われており、ほかの言葉では言い換えられない」 「正しい理解を広めたいという考えから、男女同室の着替えやトイレの同色表示など不適切な事例も明記した。これらを踏まえた上で、教育現場などでは積極的なジェンダーの平等を実現してもらいたい」 ――昨年末から全国各地を回る「大臣キャラバン」を始め、七日には金沢市で自治体の担当者を対象に男女共同参画の研修会も開いた。手応えはどうか。 「大雪だったにもかかわらず現場を指導、監督する立場の人がたくさん集まってくれ、思いを共有できたと思う。各地の混乱を鎮めて第二次計画が目指す内容を周知し、当事者意識を持ってもらうことがキャラバンの目的だ」 「従業員が安心して働き続けられるように、事業所内に保育施設を設けた美容院も訪ねた。そこでお客さんが連れてきた子どもも預かり、席からモニターで様子がわかるようにして好評だという。現場の工夫に勝るものはなく、地方の先進事例を知るいい機会。私も子育て経験があるから、こうした現場に行くのは楽しいし、ほっとする。使命感も燃えてくるんです」 ――女性の社会進出の度合いを示すGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)の国際比較で、日本は四十三位と先進国のなかではきわめて低い。歩みはまだまだ遅れている。 「かつて女性は就職難と言われたが、今は『継続難』の時代。年功序列が残る日本では管理職に就くには働き続けるしかなく、三十歳前後で仕事を辞めたらそこで終わってしまう。継続して働ける社会こそ共同参画の基礎になる」 「女性管理職が増えれば、働く側の多様なニーズを今まで以上に把握できるだろうが、それは男性にも可能。一人ひとりの認識の構造改革が必要で、そのためには具体的にどんなニーズがあるのかを政府が率先して示すことが大切だ」 「一九九九年に基本法が制定されて以来、男女共同参画社会は確実に実現に向かっている。男性の意識改革はもちろん必要だが、女性もこれまでの認識を改めるべきだと思う。『女性だからこの程度で十分』ではなく、新計画で受けられる恩恵を積極的に求め、自分たちで変えていくんだという前向きな気持ちを持ってほしい」 少子化の行方も左右 「猪口大臣がいなかったらジェンダーの言葉は消えていた」。内閣府の担当者はこうもらす。今回の計画改定は「ジェンダー」論争の観があった。 背景には固定的性別役割をめぐる攻防がある。伝統的な男女観、家族観をよしとする人にとって、ジェンダーの考え方はそれを否定する象徴と映る。自民党の一部議員は男女同室の着替えなど極端な例をあげ削除を迫った。これに対し、異例ともいえるほどの詳しい説明をつけ、担当相が「私が全国をまわって正しい概念を周知します」と断言してなんとか収拾した。 こうした論争が繰り広げられること自体、意識改革がいかに難しいかの証明でもある。男女共同参画社会基本法はあらゆる分野で男女が活躍し、責任を分かち合う社会の実現をうたっている。だが、日本は「夫は外で働き妻は家庭を守るべき」に賛成する割合が先進国では目立って高く、管理的な地位に占める女性の割合は低い。 内閣府の最近の調査によると、女性が働く環境が整っている国ほど出生率が高いという。猪口担当相が少子化と男女共同参画を兼務する意味もここにある。これまでの基本計画には「わかりにくい」「身近でない」という批判があった。第二次計画はその壁をどう破るか。成否は少子化社会の行方ともからんでいる。 (編集委員 岩田三代)
by alfayoko2005
| 2006-01-30 00:50
| ジェンダー・セックス
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