新作オペラに脚光 男女平等社会 劇場でも実現 (朝日 2006/02/04夕刊「ぴーぷる」)

新作オペラに脚光　男女平等社会　劇場でも実現 (朝日 2006/02/04夕刊「ぴーぷる」)

　フランスの指揮者で欧州議会議員（中道右派）でもあるクレール・ジボーさん（60）が、新作オペラ「ピーターパン」の初演（５月、パリ・シャトレ劇場）に意欲を燃やしている。

　見どころの一つは、中学・高校生計２５０人が出演する合唱だ。「彼らは、音楽は週１時間の授業だけという素人。これも将来の音楽界のためです」と語る。

　公演は別の意味でも注目される。地元オーケストラの責任者が女性による指揮を拒んだ、とルモンド紙が報じたためだ。「未共演の楽団だから私の力量が拒否の理由とは思えない。でも荒立てたくはなかった」。劇場は指揮者ではなく楽団を変え、筋を通した。

　「指揮者が体現する権力、栄光、お金は殿方が大好きな３点セット。ここは男性優位の国で、イタリアの方が仕事やしやすい。日本は松尾葉子さんらの存在が多少のアリバイになっているけれど、現実はどうかしら」。ここだけは欧州議会の男女平等委員会メンバーの目だった。
（冨永格）

Claire GIBAULT
Group of the Alliance of Liberals and Democrats for Europe
Member