カテゴリ
お知らせ トランス LGB(TIQ) HIV/AIDS 米政治 国内政治 ジェンダー・セックス バックラッシュ Books Movies Theatres TV & Radio Music Others Opinions 以前の記事
2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 検索
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
民法改正「答申」放置状態 夫婦別姓、棚上げ10年 非嫡出子の相続格差も (読売 2006/03/14朝刊)
法相の諮問機関「法制審議会」が、選択制の夫婦別姓導入と、婚姻届を出していない両親から生まれた非嫡出子の相続格差廃止を柱とする民法改正要綱を答申して、丸10年が経過した。政府・与党による改正案の国会提出の見通しは立っておらず、法制審の答申が長期間、“たなざらし”にされる異例の事態となっている。(社会部 石原明洋) ■「無力感」 「悩み、苦しんでいる人がいる事実は、今も変わっていない」「自分の子が成人するころには法改正が実現していると信じていたが、何も変わっていない」 2月22日、東京・永田町の衆院第2議員会館で開かれた民法改正を求める集会で、参加者から改正への見通しが立たない現状に、不満や憤りが相次いだ。国会議員15人や赤松良子元文相らも出席し、赤松元文相は「法制審の答申がここまで放置されている例は、ないのではないか。無力感もあるが、それでは前に進まない」と励ました。 野党議員も「改革を叫ぶ小泉首相が、なぜ手を着けないのか。この問題が解決しないことで結婚をためらっている人もいる」(枝野幸男・民主党衆院議員)などと自民党を批判。法相時代、法改正に意欲を見せた自民党の森山真弓衆院議員は、「党内に強硬な反対意見があり、議論が停滞している。早く具体的な解決方法を考えていかないといけない」と話した。 ◆自民に強硬反対論修正案もダメ ■法案に結びつかず 法制審の答申がこれほど長期間、法案提出に結びつかないのは、「民事法の分野では例がない」(法務省民事局)という。最大の原因は、自民党内の根強い反対論だ。 法制審は1996年2月26日、〈1〉夫婦が「同姓」か「別姓」を選択できる〈2〉非嫡出子の相続分を嫡出子の半分と定めた規定を撤廃する――などの民法改正要綱を答申。だが、自民党内では「別姓は家族の一体感を損なう」などの意見が続出し、合意に至っていない。 法務省は、同姓を原則とし、希望者には例外的に別姓を認める新たな改正案を同党に示したが、結果は変わらず。同党法務部会では、2004年春以降、ほとんど議論もされていない。 自民党内で別姓導入に理解を示す菅義偉衆院議員は「例外制でもダメならもう無理という雰囲気になってしまった。しかし、不便さや苦痛を感じている人がいる以上、解決を考えるのは政治の責任だ」と話す。 「子どもの姓が何度も変わる可能性がある」と、戸籍上の別姓を認めることには反対する同党の高市早苗衆院議員は、以前、党の法務部会に、公的な書類などへの旧姓併記を法律上認める案を出したが、強硬な反対派から受け入れられず、「対応が硬直化していると感じた」という。 ■世論調査に望み 与党の公明党には別姓導入に理解を示す議員が多いが、自民党が党内合意にほど遠いため、「こちらから提案する状況ではない」(中堅議員)。民主、共産、社民各党は、法制審答申に沿った民法改正案を繰り返し国会に提出しているが、ほとんど審議されず廃案や継続審議になっている。 事態を動かす可能性があるのは、今後の世論調査結果だ。 夫婦別姓に関する直近の内閣府の世論調査(01年)では法改正への賛成が42・1%に上り、反対(29・9%)を初めて上回った。87年は賛成13・0%、反対66・2%だったが、その後の調査でも賛成派の増加傾向が続いている。 昨年10月の衆院法務委員会で、当時の南野法相は、内閣府から問い合わせがあれば06年度に夫婦別姓に関する世論調査の実施を希望すると述べた。市民団体「民法改正情報ネットワーク」の坂本洋子・共同代表は、「次回も賛成派が反対派を上回れば、議論再開のきっかけになるのではないか」と期待している。 ◆最高裁では「違憲論」次々 非嫡出子の相続格差で問題になるのは、嫡出子との格差を設けた民法の規定が、「法の下の平等」を定めた憲法に違反するかどうかだ。最高裁大法廷は95年、「民法は法律婚主義をとっており、格差はやむを得ない」と合憲判断を示した。しかし、裁判官15人のうち5人は「違憲」との反対意見を述べ、約半年後の法制審答申にも影響を与えた。 この問題では、国連人権委員会が98年、日本政府に相続格差を解消する方向で必要な措置を取るよう勧告。国連子どもの権利委員会も04年、勧告で非嫡出子の相続格差が解消されないことに懸念を示した。日本が批准した国際人権規約や子どもの権利条約が、出生による差別を禁じているからだ。野党議員の質問主意書に対する政府の答弁書(04年)では、日本以外の国で非嫡出子に相続格差を設けている国として、フィリピンしか挙げていない。 最高裁でも、相続格差に疑問を投げかける意見が目立っている。相続格差が争点となった訴訟は03年以降、二つの小法廷(裁判官5人で構成)で少なくとも4件ある。判決はすべて合憲だったが、合憲と違憲はいずれも3対2。合憲としながら、「極めて違憲の疑いが濃く、立法府による法改正を期待する」との補足意見を付けた裁判官もいる。 だが、自民党内の議論は進んでいない。法制審の答申を受け、夫婦別姓の党内合意を優先させようとしたが、合意に至らないため、相続格差の議論も事実上、棚上げされている形だ。格差解消を主張する野党側などには、「暗礁に乗り上げている夫婦別姓問題とセットで扱われている限り、展望は開けない。切り離して議論してもよいのではないか」との意見も出ている。 ◆多様な価値観に配慮を 夫婦別姓賛成派が反対派を上回った01年の世論調査でも、実際に別姓を希望すると答えた人は2割に満たなかった。しかし、2割でも、結婚前の姓を名乗れず、不便さや苦痛を感じている人がいる事実は重い。 また、日本でも非嫡出子の割合が近年、増加しているとはいえ、全体の約2%(03年)だ。だが、彼らが生きていく中で被る不利益や犠牲を、社会として看過してよいのだろうか。生まれてくる子どもには何の責任もないのだ。 日本が、多様な価値観を認めることができるのか。そして、少数者の権利にも思いを至らせることができるのか。民法改正は、まさにこの点が問われている問題だと感じる。 〈法制審議会〉法相の諮問に応じ、民事法、刑事法など法改正に関する基本的な事項を調査、審議する機関。委員は20人以内、任期は2年で、学者や法曹3者のほか、財界などから選ばれる。具体的な審議は、諮問内容ごとの専門部会が行う。 ◇民法改正を巡る主な動き 1991年 1月 法制審が小委員会で審議開始 95年 7月 最高裁大法廷が相続格差を定めた規定を合憲と判断 (多数意見10人、反対意見5人) 96年 2月 法制審が「選択的夫婦別姓」と「相続格差解消」を 柱とする改正要綱を法相に答申 2000年12月 「選択的夫婦別姓」導入の検討を含む 男女共同参画基本計画を閣議決定 01年 8月 内閣府が「選択制」賛成42%、反対30%とする 世論調査の結果を公表。賛成派が初めて反対派を上回る 02年 4月 法務省が改正案を提示。「選択制」から「例外制」に転換したが、 結局、国会提出を断念 7月 自民党有志議員が「例外的に夫婦の別姓を実現させる会」を結成 03年 3月 最高裁第1小法廷と同第2小法廷が「相続格差」を合憲と判断。 関与した10人の裁判官のうち、4人が「違憲」、 1人は合憲としつつ「違憲の疑いが濃厚」 04年 3月 自民党法務部会が1年8か月ぶりに夫婦別姓を議論。 議員立法による法案提出に反対が相次ぐ 写真=民法改正を求める集会に集まった国会議員ら。左は枝野幸男衆院議員(2月22日、衆院第2議員会館で)
by alfayoko2005
| 2006-03-17 17:27
| ジェンダー・セックス
|
ファン申請 |
||