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[政治の現場]続「ポスト小泉」の足元(4)「伝統のため」神主が票集め
読売 2006/04/16朝刊 ◆おはらいも選挙も 2月7日、夕暮れの静岡県・JR浜松駅前。スーツ姿の男たちが消費者金融の社員と並んで、家路を急ぐ学生たちにポケットティッシュを配っていた。ティッシュの表紙には「日の丸は日本のこころ」の文字。ビラにはこうあった。 「皇室典範改定 本当にこれでいいのですか?」 男たちは、静岡県神道政治連盟青年隊のメンバー約20人。けげんそうな表情の高校生に、隊長の坂本晋一(38)は「よく知ってくださいね」とにこやかに話しかけた。 坂本は、火防(ひぶせ)信仰の総本宮・秋葉山本宮秋葉神社(浜松市)の神主だ。普段は白衣に浅葱(あさぎ)色の袴(はかま)姿で、おはらいも行う。サッカーJリーグの地元・ジュビロ磐田の必勝祈願は毎年の恒例行事だ。 神道政治連盟(神政連)は、全国約8万の神社で構成する神社本庁の政治活動を担う組織だ。1969年に結成された。最近、約2万2000人の神職を中心に運動を活発化させている。 首相の靖国神社参拝や憲法改正、教育基本法改正などが政治課題に上り、「日本の伝統や文化を守るためには、政治への働きかけが必要だ」(神政連幹部)と考えるからだ。 1月19日には皇室典範改正反対の決起集会を東京で開いた。神職800人が衆参の議員会館にローラー作戦をかけ、約120人の議員から賛同署名を集めた。 神政連は、自民党候補を中心に「公約書」を交わして選挙支援する。坂本も陣営の名簿を基に電話で投票を依頼し、集会にも神主仲間を動員する。候補者と一緒に選挙カーにも乗る。 そんな時、坂本らはスーツを着る。事務所で一緒に働く運動員から、「えっ、あんた神主さんかね。神主さんも選挙をやるんだ」と驚かれることも多い。 坂本に迷いはない。 「靖国問題や皇室典範改正、性差を否定するジェンダーフリー……。伝統を重んじる我々が動かねば、という自負がある。だから賛同してくださる方の選挙は全力でやります」 ◆戦後60年余 首相の靖国参拝などを求める自民党支持団体は、神政連のほか、軍恩連盟全国連合会や日本遺族会が代表格だ。だが、戦後60年余がたち、軍恩や遺族会は組織の高齢化に苦しんでいる。 軍恩は70年代に会員の自民党入党を奨励し、ピーク時には全国で20万人以上の職域党員を擁した。愛知県軍恩連合会会長の丸山政好(82)は「恩給改善を訴えても『お前らは生きて帰ってきたじゃないか』と言われた。政治力が必要だった」と述懐する。 だが、現在の党員は7万人。丸山は「亡くなる方も増え、処遇も一区切りついた。政治への熱意は減ってきた」と打ち明ける。 3月中旬、埼玉県遺族会連合会婦人部が研修会を開いた。研修のテーマは「遺族会の精神をどう伝えていくか」だった。 83人の参加者のうち「戦没者の妻」は、わずか30人で、残りは遺児や遺児の妻たちだ。「妻」の平均年齢はすでに88歳。埼玉県内でも10年前に4682人いた「妻」は昨年、2000人を切った。埼玉の遺族会は02年、全国に先駆けて婦人部のメンバーを「妻」以外にも広げた。 遺族会の原点は「戦没者の妻」たちが遺児を抱えて生活できず、母子心中が相次いだ戦後の時代に、公務扶助料などの処遇改善を求めて起こした運動だ。 「自分も周りも生活していくために切実だった。だから自民党員になって、訴え続けてきた」 埼玉県遺族会の婦人部長・宮下タケノ(89)はそう振り返る。結婚1年半で出征した夫が戦死し、小学校教師をしながら娘を育てた。 現在、処遇改善要求は一定の目的を達し、遺族会の活動の重点は靖国参拝などの「英霊顕彰」に移ってきている。夫と弟の命日に参拝を続ける宮下は「国のために亡くなった方々に感謝し、戦争をもう起こさないという『こころ』は受け継いでいきたい。首相には公式参拝をしてほしい」と願う。 政治活動への動員は、神政連など若手が担うようになった。自民党に働きかけるテーマも、戦後補償の問題から、保守思想や歴史観にかかわるテーマに軸足が移りつつある。 日本遺族会会長の古賀誠(元自民党幹事長)は「遺族会も『孫』の時代になる。軍恩は新規会員がなく、神社本庁は新世代が増える。どう連携を保つか。しばらくは過渡期だ」と言う。 宮下は最近、こう感じる。 「戦争を知らない世代が中心になる。政治家も、きちんとした歴史観を持っていないと、日本は大変なことになります。心配だから、私たちも声を上げ続けないと……」(敬称略) 〈公約書〉神政連は選挙ごとに政策協定を結んで候補者を推薦する。昨年の衆院選では、〈1〉皇室典範改正は皇室の歴史や伝統を踏まえた見直しがされるよう努力する〈2〉戦没者追悼のための新施設構想に断固反対し、靖国神社に関する諸問題の早期解決に努力する――など7項目の公約書に同意した165人を推薦、157人が当選した。ただ、この中には、自民党の山崎拓・前副総裁ら、選挙後に新追悼施設推進の議連に名を連ねた議員もいる。
by alfayoko2005
| 2006-04-17 00:50
| ジェンダー・セックス
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