栃木：性同一性障害へ配慮求める 佐野市男女共同参画推進条例で懇話会が報告書

読売・栃木版 2006. 04. 23朝刊
性同一性障害へ配慮求める　佐野市男女共同参画推進条例で懇話会が報告書＝栃木

　◆佐野市男女共同参画推進条例案

　佐野市男女共同参画推進懇話会は、市男女共同参画推進条例について、「条例制定が必要」と結論付けたうえで、条例に盛り込む内容を具体的に示した報告書を、岡部正英市長に提出した。市は市議会６月定例会に条例案を提出し、成立を目指す。

　報告書は、条例の基本理念として、性同一性障害の人に対する配慮義務規定を設けるよう求めたことが特徴だ。市男女共同参画課によると、県内で男女共同参画推進条例を制定している宇都宮市など５市では、同様の規定はないという。

　そのほか、市民が市に対し、男女差別に関する相談ができることを明確に示す必要を指摘し、差別の相談を市民の「権利」として位置付けた。

　懇話会の島田好正座長は岡部市長に対し、「市民の関心を高めることが次のテーマではないか」と話した。

　同懇話会は、学識経験者や公募で選ばれた市民ら１５人が委員となり、昨年７月に設置され、８回の会議を開く一方、パブリックコメントを実施して条例の必要性や内容を議論してきた。
　　　　　
　写真＝佐野市の岡部正英市長（左）に報告書を提出する市男女共同参画推進懇話会の島田好正座長（中央）

栃木県佐野市