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ユニセフ・世界キャンペーン エイズから子供守ろう=特集 (読売 2006/04/25朝刊)
世界中で1分に1人ずつ15歳未満の子どもが命を落としている――。その原因は、免疫力の低下などを引き起こすエイズウイルス(ヒト免疫不全ウイルス=HIV)の感染だ。エイズは大人だけの問題ではなく、多くの子どもが犠牲になっている。国連児童基金(ユニセフ)は昨年10月から、子どもをエイズから守る世界的なキャンペーンを開始した。 (医療情報部 坂上博) 日本ユニセフ協会は先月31日、東京都内で「ユニセフ子どもエイズセミナー」を開いた。参加した小学生から高校生まで約70人は、多くの子どもたちが感染被害にあっている世界の現状について理解を深めた。 まず、父親をエイズで失ったアフリカ・ウガンダのナブケニャ・リタ・ブケンヤさん(20)が、自らの体験を語った。 感染拡大が進むアフリカ・レソトを視察する同協会大使のアグネス・チャンさんは、子どもたち自身が予防の知識と行動力を持つことの大切さを訴えた。 また、参加者は10人ほどでグループを作り、日本のエイズ教育や海外情報に関する資料を見ながら意見を交換した。 「友達同士でエイズに関して話し合うことが恥ずかしい」「学校の先生も恥ずかしがって、しっかり教えてくれない」「エイズの話題をタブー視せず、現実を知って、友達に情報を伝えよう」――。様々な意見をまとめて会場で発表。これ以上、感染を広げない方策を探った。 ◇日本ユニセフ協会専務理事 早水研さん ◆紙芝居で知識広める アフリカ南部にあるスワジランドという国を2003年に視察しました。人口の35%がHIVに感染しています。ここで、ユニセフは現地政府と協力して様々な支援をしています。 エイズで両親を失い、子どもたちだけで生きている例が多くありますので、1日1回は温かい食事が食べられるように鍋や釜などを提供し、村の大人たちに調理をお願いしています。 学校の敷地に畑を作り、子どもたちに野菜の作り方を学んでもらいます。また、清潔なトイレを整備し、衛生管理の大切さを身につけてもらっています。 HIVがどのように感染するかなどを分かりやすくまとめた紙芝居を見てもらうなど、知識を深める取り組みも支援しています。 被害者が子どもの場合、最も重要となるのは、村や学校などのコミュニティーです。その力が効果的に発揮できるように支えていきたいと思います。 ◇エイズで父親失った ナブケニャ・リタ・ブケンヤさん ◆遺児、進学の夢実現 私が7歳の時、パン屋さんで働いていたお父さんが亡くなりました。私はまだ小さかったので亡くなった理由を知りませんでした。数年後、お母さんに「どうしてお父さんは死んだの?」と聞いたら、「実はエイズだったのよ」と言われました。すごくショックを受け、「もう、それ以上、話さないで」と頼みました。 ウガンダでは、小学校でエイズのビデオを見たり、ラジオ放送でエイズのニュースを聞いたりして、子どもでも、ある程度、知識があります。 母親は専業主婦でしたが、父の死後、駐車場の見張り番などとして働き始めました。家計は苦しく学校の費用が払えなくなり、私は欠席が多くなりました。 母が校長先生に掛け合ってくれて、高校を卒業できました。同じ境遇の友達の中には、学校をやめて働きだす男の子や、結婚する女の子もいました。 大学に進学したかったのですが、お金がないのであきらめました。私の村に、日本の「あしなが育英会」が建設した「レインボーハウス」がありました。エイズ孤児に、カウンセリングを行ったり、日本語を教えたりする施設です。 通い始めて間もなく、職員から「あしなが育英会が支援するので、日本の大学に行きませんか」と誘われました。そして昨年12月、早稲田大学国際教養学部に合格しました。躍り上がりたいほどうれしかったです。育英会が今年2月に東京・日野市に建設した学生寮で生活をしながら大学に通い、子どもたちの権利を守る仕事に就けるように勉強を頑張っています。 本当に私は幸運で、希望をつかむことができました。今後は、エイズ予防を訴える活動も行っていきたいと思っています。 〈ウガンダ〉 アフリカ東部の内陸に位置し、人口は2600万人。1980年代後半、世界で最初に爆発的な感染流行が起こった。リタさんのようなエイズ孤児が約100万人いる。 ◇日本ユニセフ協会大使 アグネス・チャンさん ◆母子感染、薬で防ぐ 大使に任命された1998年、タイ北部の町に行き、山岳民族の女の子に出会いました。彼女は故郷の村からだまされて連れ出され、売春を強要された体験があります。一度、村に逃げ帰ったものの、HIV感染が判明し、追い出されてしまいました。 幸い、民間の援助団体に助けられ、ようやく落ち着けたその町で、私は彼女と話す機会を得ました。「好きな人がいるけど、私は病気なので、絶対、そのことを口にできない」と寂しそうでした。タイの山奥にある施設には、エイズ発病後に捨てられた子どもたちもいました。何の罪もない子どもたちが、被害に遭っています。 主な感染経路は売買春のほか、母子感染があります。母親が感染していても、薬を使うなどきちんとした形で出産すれば、感染の可能性は低くなります。でも、その技術と知識がある医師の下で産んでいません。エイズは、性的に活発な年代層を狙い撃ちします。つまり、働き盛りの人たちで、その人たちの命が奪われると、自分だけで生きていくことが難しい子どもたちが残されます。 治療薬が進歩してエイズは死ぬ病気ではなくなりました。しかし、薬は高価で貧しいアジアやアフリカの国では使えない人がたくさんいます。 最も大切なのは、感染を予防することです。子どもたち同士で、この問題について話し合い、予防を心がけてほしいです。 私は、エイズが流行しているアフリカのレソトという国に行きます。日本にとっては遠い国ですが、皆さんと同じ子どもたちが犠牲になっていることを、お伝えしたいと思います。 〈レソト〉 アフリカ南部の人口180万人の小さな国。約3人に1人がHIVに感染している。平均寿命は1990年に58歳だったが、2004年には35歳に低下した。5歳未満の死亡者の約4割は、エイズが原因だ。 ◆新たな感染、9割アフリカ エイズ対策は、主に大人に注意が払われてきたが、子どもの被害も深刻だ。 世界の子ども(15歳未満)の感染者は220万人。2004年は64万人が新たに感染し、50万人が亡くなっている。エイズで亡くなる6人に1人は子どもとされる。 また、どちらかの親をエイズで失った子どもたち(エイズ孤児)は1500万人もいる。 新たに感染する子どもの9割はアフリカだ。貧困から政府が効果的な予防策を行えなかったり、エイズの危険性を国民に理解させる教育が不十分だったりして、感染拡大が進んでいる。 ◆2010年までの4目標 ユニセフは昨年10月末から、「子どもとエイズ」と題した世界的なキャンペーンを始めた。世界155の国・地域が一斉に取り組む、ユニセフ創設以来の最大規模のものだ。四つの対策を実施し、2010年までに目標の達成を目指す。 母子感染の予防 子どもの感染者の多くは、母子感染が原因だ。抗ウイルス薬を妊娠中の母親と、出産後の子どもに服用させるなどの予防対策を取れば、感染の確率は、何もしない時の35%から、ほぼゼロにできる。これらの対策を現地の病院などを通じて、必要とする女性の8割に提供する。 感染した子どもの治療 治療を受けている子どもの感染者は、わずか5%未満だ。また、ほとんどのエイズ発病者は、命を奪うマラリアや肺炎の予防・治療薬を服用できていない。これらの薬を必要とする子どもの8割に提供する。 若者の新たな感染予防 感染拡大を防ぐ唯一の手段は予防の徹底だ。コンドームの使用を含む予防の知識、性感染症の治療薬などを提供し、感染者・患者を25%減らす。 エイズにより困難な状況にある子どもの保護 エイズで両親を失い、貧困、偏見、差別によって学校をやめ、生きるために働かなくてはならない子どもたちが多い。このようなエイズ孤児に支援を行うように各国政府に働きかける。 ◆「エイズは、大人だけの問題じゃない」シンポ 日本ユニセフ協会は5月23日午後6時30分から、東京・五反田のゆうぽうと簡易保険ホールで、「エイズは、大人だけの問題じゃない」と題したシンポジウム(外務省、読売新聞社後援)を開く。 アグネス・チャンさんによるアフリカ・レソト視察報告のほか、エイズ予防財団の島尾忠男会長らがエイズ孤児らを支える方策などについて討論する。入場無料。定員1800人。 氏名、住所、電話番号を明記してファクス(03・5789・2036)または電子メール(unicef@req.jp)で申し込む。問い合わせなどは同協会のホームページ(http://www.unicef.or.jp/)または広報室((電)0120・88・1052)へ。 写真=アグネス・チャンさんと一緒に記念撮影する子どもたち(東京・高輪のユニセフハウスで) 写真=早水研さん 写真=ナブケニャ・リタ・ブケンヤさん 写真=アグネス・チャンさん
by alfayoko2005
| 2006-04-26 00:30
| HIV/AIDS
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