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新教育の森:「職員会議の挙手禁止」東京都教委通知 ワンマン校長、増長不安 (毎日 2006/05/01朝刊)
◇現場の声反映を 職員会議で挙手を禁止する東京都教委通知を毎日新聞(4月14日朝刊)が報じ、教員や親から意見が多数寄せられた。取材すると、予想以上に学校現場に不安が広がっていた。不安の核心は「ワンマンタイプの校長を増長させないか」。多くの校長は教員の声を聞いて円滑に学校を運営するが、一部に「教師の声に耳を傾けない」校長がいるのも事実。現場のやる気がそがれ、不利益を受けるのは生徒たちだ。校長たちの言動を問題提起として報告するとともに、通知について都教委と都高校教職員組合に聞いた。【高山純二、井上英介、木村健二、北村和巳】 ◇親指と小指 「何を言っても無駄だという空気が、学校全体にまん延していた」。東京都区部の都立高に勤める30代の男性教諭が、前任校の校長のワンマンぶりを振り返った。 前任校で、ある時、40代の同僚教諭が校長室に呼ばれた。同僚の説明によると、校長は新設校への異動を打診した。行きたくない旨を伝えると、離島の学校か定時制へ異動をほのめかしたという。 校内人事でも現場の意見を聞かなかった。行事や生徒指導の担当に経験のない教諭を配置しようとした。職員会議で反対意見が出たが、校長は一方的に席を立ち、会議を打ち切った。 「(校長らが学校運営方針を決める)企画調整会議に現場の声が伝わっていない。教職員が自由に話し合い、学校運営に反映させれば、よりよい教育が実現できるのに」 この春、新しい学校に移って安堵(あんど)した。職員会議には意見を出し合おうという雰囲気がある。前任校のように親指(校長)や小指(副校長)を立て、同僚同士こっそり顔をしかめ合うようなことはない。 ◇勝手に登壇 別の都立高。この春着任した校長の言動に、教員たちの多くが不安を覚えたという。不安は間もなく当たった。 生徒会主催の新入生歓迎行事。在校生と新入生が体育館で向かい合い、校長と生徒会長がその間に立ってあいさつするのが慣例だ。中堅教員によると、校長はその場で、壇上でないとあいさつしないと言い出し、戸惑う生徒会長を残して登壇してしまった。 「校長は、現場の意見は参考程度であっても聞く必要はないという態度だ」と、中堅教諭は話す。「生徒を見ていない。生徒を分からないのに、物事を決められるはずがない」 ◇意思疎通 取材の結果、校長が職員会議で挙手などによって教職員の意向を知り、行事の日程や内容を決めている学校もいくつかあった。だが、都教育庁に「挙手」の実態を知られるのをおもんぱかったのか、取材はできなかった。 むしろ、校長と現場教職員の間で、日ごろから意思疎通を図っていれば職員会議で採決するまでもないようだ。 「現場の信頼を勝ち得ている」と評判の都立学校長の一人は「外見上は企画調整会議で物事を決める格好であっても、日常的に現場の声を吸い上げ、実質的に教職員の意向を踏まえていればいいのでは」と話す。 ============== 今回の通知の狙いや是非、影響について、通知を出した中村正彦・東京都教育長と、通知の撤回を求めている若林泰直・東京都高校教職員組合委員長に聞いた。 ◇「補助機関」徹底を--中村正彦・都教育長 --職員会議の挙手や採決を禁じる通知をなぜ出したのか。 ◆98年「職員会議は補助機関」とする通知を出したが徹底できなかった。全都立学校長にアンケートをしたら、22校の校長が「学校経営に問題あり」と答えた。通知を出した方が組織として動きやすくなると思った。内容的には政治的な問題はなく、非常に実務的、事務的な問題だ。 --校長の一方的学校運営を助長しないか。 ◆通知の文面だけ見て大人げないと思う人がいるかもしれない。日ごろから校長、副校長、主幹と一般教員の意思疎通をすべきである。議論は管理職、主幹、関係教員による企画調整会議でやるべきで、60人近い先生が集まる職員会議はふさわしくない。 --「子どもに多数決をどう教えるのか」という批判もある。 ◆学校の方針決定を多数決でやった場合、経営責任はどうなるのか。多数決にはいい面もあるが、教育の継続性、普遍性の観点から見ると、ある方針なり、目標なり、哲学を持つ必要がある。 --今後の職員会議の位置づけは。 ◆補助機関にすぎないが報告連絡の場であり、職員の意見を聞く重要な場。存在は全然否定していない。学校を良くするための通知だ。生徒が目を輝かせる学校を作りたい。これに尽きる。 ◇独断にお墨付き--若林泰直・都高教委員長 --今回の通知の狙いをどう見るか。 ◆98年に「職員会議を校長の補助機関とする」というルールが定められて以来、徹底を図る通知が何度も出されてきた。今回もその一つだ。 --職員会議で、挙手などで多数決をとる学校はどれほどあるのか。 ◆職員会議は、校長を含む教職員全員が課題を共有し、解決に向けて合意形成を図る場だ。いちいち採決を必要とする「議会」ではないが、校長がいろいろな方法で教職員の意向を確認することは多くの学校で行われているのではないか。 --通知は現場にどんな影響を与えるか。 ◆「はしの上げ下ろしまで指示するのか」と現場の先生たちは怒り、あきれている。教職員に対する適切な指導力を発揮できず、独断専行をリーダーシップと勘違いしているような校長に、都教委がお墨付きを与えるようなものだ。そんな校長のいる学校では、以前にも増して現場の意欲が低下しかねない。 --今回の通知で、困る校長がいるのではないか。 ◆校長など管理職と現場の教職員全員の協力がなければ、円滑な学校運営も教育活動の充実も成り立たない。多くの校長はその点を十分に理解しており、通知にかかわらず、これまで通り教職員の理解を得るよう努めるだろう。今回の通知に当惑している校長はかなり多いはずだ。 ============== ■ことば ◇職員会議での挙手禁止通知 中村正彦・都教育長名で4月13日、都立高など263の都立学校の校長に出された。「職員会議を中心とする学校経営からの脱却が不可欠」とうたい、「職員会議において挙手、採決などの方法で職員の意向を確認するような運営は不適切であり、行わないこと」と指示。校長や副校長(教頭)らによる「企画調整会議」を学校経営の中枢と位置づける。旧文部省は00年「職員会議は意思決定権を持たない」との趣旨を全国に通知したが、挙手や採決そのものを禁止するのは極めて異例。 毎日新聞 2006年5月1日 東京朝刊 [教育取材班]kyouiku@mbx.mainichi.co.jp
by alfayoko2005
| 2006-05-02 12:02
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