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[週末映画館]「レント」 友情と愛、迫る死の恐怖 (読売・多摩版 2006/05/12朝刊)
◎案内は恩田泰子記者 ◇米 人気の舞台が映像化されることは少なくない。これも、その1本。 1996年2月にオフ・ブロードウェイで初演され、2か月後にブロードウェイに進出し、同年のトニー賞で作品賞、音楽賞など4部門、ピュリツァー賞(ドラマ部門)も受賞。今も、ロングランを続ける大ヒット・ミュージカルの映画版。初演時のキャストに加え、注目の若手女優、ロザリオ・ドーソン=写真右=も出演している。 描かれているのは、80年代最後のクリスマス・イブからの1年間。ニューヨークのイーストビレッジに暮らす貧しい芸術家の卵たちの恋と友情をめぐる物語だ。プッチーニ作のオペラ「ラ・ボエーム」が下敷きになっていることもあり、最近では“普遍的”な青春群像としての魅力が強調されているが、「レント」の魅力は、なんといっても時代性だ。 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が発見されたのは、83年。人々は、新たな死の脅威と向き合わなければならなくなった。この映画に登場する若者たちも例外ではない。相手の性別を問わぬ奔放な愛や、ボヘミアンのような暮らしを謳歌(おうか)しているようで、その実、毎日が恐怖と隣り合わせなのだ。 だが、135分の劇中、ほぼ絶え間なく流れ続ける歌の大半は、明るく、活力に満ちている。それはおそらく、若者たちが一方では、変革への希望を持っていられた時代であったことと無縁ではないはずだ。 物語前半、登場人物の一人は、両親からの留守番電話を聞いて拒否反応を示す。どうということはない場面だが、当時はまだ、大人が煙たい権威であったことがよくわかる。つまり、目の前に立ちはだかる壁をぶち壊せば、何かがあるかもしれない。まだ、そう思えたのだ。ものわかりのよい振りをした小ずるい大人が増えた今は、こうはいかない。80年代から90年代初頭のハリウッドでは、青春群像映画の秀作が数多く生まれていたことを思い起こして欲しい。 「レント」の人物造形や、ミュージカル映画としての可否には言及すまい。だが、普通の劇映画では、今は存在しなくなった青臭い熱情への感情移入を呼び起こすことは、難しかっただろう。「ハリー・ポッター」シリーズで知られるクリス・コロンバス監督が、畑違いのミュージカルという分野に挑んだ背景にも、そのあたりの事情があるのではないだろうか。 もちろん、小難しいことを考えなくても楽しめる。だが、さらに「80年代再考」をしてみたいという人には、最近日本でもDVD発売されたテレビシリーズ「エンジェルス・イン・アメリカ」(マイク・ニコルズ監督)も、お薦めだ。 ◇ MOVIX昭島で上映中。
by alfayoko2005
| 2006-05-16 22:50
| Movies
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