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[評]第11回宮崎国際音楽祭 モーツァルトを即興で展開 (読売・西部版 2006/05/26夕刊)
日本を代表するアーティストたちが集い、特別編成のオーケストラや室内楽の公演を行う音楽祭で、芸術監督を務めるシャルル・デュトワの企画により多彩なプログラムが展開された。 最も会場を沸かせたのは、ジャズピアニストの小曽根真をソリストに迎えた14日のモーツァルト「ピアノ協奏曲〈ジュノム〉」だ。その自由奔放で即興的な演奏には驚かされた。 小曽根は繰り返される主題が登場するたびに自己流にアレンジして演奏する。2度目はまだ主題を装飾変奏するおとなしいものだが、曲が進むにつれてどんどんエスカレートして、作曲当時のピアノの音域やモーツァルトの旋律などはお構いなしに脈絡のない即興を延々と展開していく。終楽章に至っては意図的に途中で主題を切ったり、じかにピアノの弦に触れて音色を変えたりする。はっきり言えばむちゃくちゃである。 ただ小曽根の語るところによれば、これは「2006年に生きる音楽家がモーツァルトの世界を自分の言葉でしゃべるとどうなるのか」というまじめな問題提起なのだ。言い換えれば現代にモーツァルトを演奏する意味や演奏家の役割を問い直しているのである。 モーツァルト自身も「魔笛」の本番でグロッケンシュピールを好き勝手に即興演奏して役者を困らせたことが書簡から知られている。我々は小曽根の演奏を通じて、現代にタイムスリップしたピアニスト・モーツァルトの姿を垣間見たのかもしれない。会場の大喝(かつ)采(さい)に誰よりも驚いたのは、オーケストラを編成するクラシックの音楽家たちだろう。 芸術監督3年目となるデュトワは100人規模のオーケストラを得て、ラヴェル「ダフニスとクロエ」という東京でもほとんど演奏機会のない合唱つきの大曲を取り上げた(13日)。オーケストラの色彩感はやはりデュトワの独壇場であり、地元高校生を核とした合唱団も若々しい透明感にあふれる歌声を披露した。 今年は室内楽も充実しており、没後10年を記念した武満徹の特集や、パントマイム、演劇とのコラボレーションも催された。うちストラヴィンスキー「兵士の物語」(6日)は雨天で会場変更となったとはいえ無料の「ストリート演奏会」という趣向だ。プログラム、演奏の質ともに極めて充実した音楽祭だった。 (4~19日、宮崎市・宮崎県立芸術劇場など)(池田和正) 写真=シャルル・デュトワ(右上)の指揮でモーツァルトの「ジュノム」を、気の向くままに演奏する小曽根真(宮崎市の県立芸術劇場アイザックスターンホールで)=中島一尊撮影
by alfayoko2005
| 2006-05-27 13:30
| Music
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