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[コラム・招待席]「文化系女子」と男の視点 千野帽子(寄稿) (読売 2006/05/27夕刊)
◎ウイークエンド文化 ◇ちの・ぼうし(俳人、文筆家) 文化やサブカルチャーに強い女子はむかしからいましたが、文化系女子なる語を雑誌やネットで見かけるようになったのは最近のこと。文芸誌「ユリイカ」二〇〇五年十一月号の、女性執筆陣による特集『文化系女子カタログ』を読むと、従来の文化体系が所詮(しょせん)「男子文化」というローカルなものに過ぎなかったことがわかります。文学・音楽・映画・手芸その他のアートから、お笑い・ジャニーズといった芸能、アニメ・ゲーム・やおい(男子同性愛を題材とする空想的創作物。愛好者は腐女子(ふじょし)とも称される)などのオタク文化まで、多面的な文化の諸相が幅広く取上げられていて、性差を根拠にそれらをひと括(くく)りにはできません。つまり「これが文化系女子だ」という単一のカテゴリなど存在しないのです。 ところが二〇〇六年に入ると一転、「文化」ではなく「女子」のほうが強調され始めます。まず読書情報誌「ダ・ヴィンチ」四月号の特集「カワイイ文化系女子としたい」は、室内で読書するアイドルの写真を掲げ、文化系女子を男の夢想の対象として描きました。孤独と散歩を愛するメガネ女子、などという男の妄想丸出しの演出が悲しい。 またライター・杉浦由美子さんは『オタク女子研究』(原書房)で、多様な文化系からオタク女子を除外しました。オタク以外の文化系女子は〈映画、小説、音楽などを熱心にお勉強〉して男にモテようとする〈健気で立派な努力家の人々〉なのだそうです。杉浦さんは週刊誌「AERA」五月十五日号でも、男に媚(こ)びないオタク女子と〈男性の幻想に合わせて振る舞ってあげる〉文化系女子とが対立している、という〈モテ格差〉論を展開しています。なんの怨(うら)みか、「文化系女子」をおじさん用語として故意に誤用し、貶(おとし)め、骨抜きにしたいようです。 「ユリイカ」に寄稿しているドイツ文学者・高田里惠子さんが『グロテスクな教養』(ちくま新書)で正しく指摘したように、〈男性の教養が話題になるとき、そこでは、、男の教養といった、アクセントの置かれ方はしないのにたいし、女性の場合は、女の、いや、、日本の女の教養という特別の視点が介入してくる〉。女子文化にレッテルを貼って安心したい人たちは、かつての情報番組『トゥナイト2』みたいなオヤジ目線でしか世界を見ることができないのですね。なんだかとってもかわいそう。
by alfayoko2005
| 2006-05-28 13:09
| ジェンダー・セックス
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