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クリスチャン・ツィメルマン――知られざる名作、感動の幕切れ(クラシック) (日本経済 2006/05/30夕刊)
ポーランドのピアニスト、クリスチャン・ツィメルマンが来日。二十日、サントリーホールでのリサイタルを聴いた。ツィメルマンといえば、一九七五年に十八歳でショパン・コンクールに優勝した「ショパン弾き」だが、ことしはもう五十歳。幅広いレパートリーを誇る中堅としての価値が問われる。 この日のプログラムは、まずモーツァルトで幕が開いた。ピアノ・ソナタ第十番ハ長調、K三三〇。もちろん音は美しく、それなりに快いが、どこか躍動するものが欠けている。続いてはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第八番ハ短調「悲愴」。これもまあ手堅く、技術の冴えはあるが、ベートーヴェン特有の駆動力はいまひとつ。 後半はショパンのバラード第四番ヘ短調で始まり、さすがに磨き抜かれた音色と、内面的な叙情性の表現にはみごとなものがあるが、本調子とは言えない。むしろ、ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」での、クールな感触を伴った洒脱な表現の多彩さに、最近の彼の新しい境地を見ることができた。 すばらしかったのは最後に弾かれたグラジナ・バツェヴィチ(一九〇九―六九)のピアノ・ソナタ第二番(一九五三)。ルトスワフスキと同年代というポーランドの女流作曲家だが、三楽章からなるソナタは、さながらショパンのソナタ第二番「葬送」を下敷きにしたかのような悲劇的で激しい情熱を秘め、深い楽想が、二十世紀の音楽語法によって濃密に語られる。この知られざる名作に対するツィメルマンの強い思い入れが満場の聴衆に伝わり、感動的な幕切れとなった。 (音楽評論家 樋口 隆一) 【図・写真】洒脱な表現も見せたツィメルマン=撮影・堀田 力丸 ■
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by alfayoko2005
| 2006-06-03 19:33
| Music
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