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戸籍制度と言葉の関係 前に働いていた会社で、結婚に関する文章の表記のことで、 「本人が『籍を入れる』って言ってる場合はそう書いてもいいんだけど、『結婚する』『届けを出す』としか言ってないときは『籍を入れる』『入籍』とかって言葉を、こちらが勝手に使っちゃいけないんですよ」 と聞いたことがあった。理由は、実際の処理では、誰かを誰かの籍に入れるということはしないから。2人で新しい籍を作るというのが、事実らしい。 制度として便利な部分が、戸籍にはたくさんあるだろう。 でもみんなに便利なのか、疑問もある。日本に住んでいる人は日本人だけではない。そして人々の様々なライフスタイルに適応していない面がある。 戸籍は日常には関係がない、一緒に暮らしたい人は暮らせばいいじゃないか、と考えるにしても、たとえば同性同士のカップルを「結婚」という言葉で捉(とら)えることが少ないのは、戸籍の概念があるからかも。「事実婚」をしている人たちを「結婚している」とはなかなか言わないのが現状のようだ。 それに、結婚を解消すると、間違ったわけじゃないのに、戸籍にバツ印が付く、というのもおかしく思える。「バツイチ」という言葉があって、バツイチはモテるらしいからそう言われることをべつに嫌じゃないと思う人もいるかもしれないけれど、私はこの呼び方は、ひどい、と感じる。 それから、例えば、いわゆる「不倫」の小説なんかで、背徳感で余計に盛り上がっているようなものがあり奇妙なのだが、あれも制度を重要視し過ぎた結果かも。時代と共にどんどん変化していく結婚の概念を破ったところでどうってことない。結婚を制度として捉え、それに背くことを気にするより、先方の家族の気持ちを想像して自身の行動を考えるなどの方がきっと人間らしい、と私は思う。 ところで私は今27歳で「いつまで『娘』なのかなあ」とふと考える。結婚しなくても新しい籍を作りたい、という気がしてしまう。家族は大好き。感謝しているし関係も良好だ。でも。 戸籍が、結婚や家族のイメージに影響を与えていることは否めない。「30歳になって、もし結婚してなかったら分籍して、ひとりの籍を作ろうかな」なんて考えてみる。けれど本当は、制度を気にせず、現実の言葉で人生を見たい。(作家) 山崎ナオコーラ:78年、福岡県生まれ。04年「人のセックスを笑うな」で文芸賞受賞、芥川賞候補。
by alfayoko2005
| 2006-07-08 07:54
| ジェンダー・セックス
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