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【2006年9月19日】
海外発の護身術が上陸──襲われた状況を想定/心を鍛え無力感払拭 (日本経済・関西版) ![]() 合気道など日本古来の武道とは異なる、海外発の新しい「女性のための護身術」が上陸し始めた。単に暴漢から身を守る技術を学ぶだけの講座ではない。女性の心を鍛える自己啓発の手段として、護身術が新たな注目を集めている。 「おとなしくしろ!」。プロテクターに身を包んだ暴漢役の男性インストラクターが女性生徒に馬乗りになり、両手をつかんで脅す。生徒は観念したふりでスキを見せ、一瞬で身を翻す。「今だ!」「キック!」といった観衆のかけ声に合わせて暴漢の顔面に全力でけり込む。 米国で誕生した護身術「インパクト」が関西にやってきた。実践的な護身術で、常に暴漢に襲われた時の極限状態を想定したプログラムになっている。 ●残る被害の恐怖 「インパクト」は1971年、米国人の女性武道家が何も抵抗できないまま、性暴力の被害に遭ったことをきっかけに考案された。武道の「型」ではなく、襲われた状況を常に想定する。防具を付けた相手の急所を直接突くフルコンタクトの護身術だ。 「インパクト」を関西に初めて輸入し、団体を立ち上げたのは大阪生まれで米国人の夫を持つゲラー知代子さん(38)。 ゲラーさんは性暴力の被害体験を乗り越えてきた「サバイバー」の1人。被害体験の恐怖感が残り、「夢に現れては何度も暴漢に負けるシーンが繰り返されてきた」という。 米国ボストンの情報雑誌の紹介記事を見て、2000年にボストンで「インパクト」に出合った。講座に参加した時に「自分でもこれだけ戦うことができるのか」と感じた。 日本にも普及させるべく一念発起、自らインストラクターの資格を取得し、翌年に「インパクト関西」を立ち上げた。関西を中心に月に1回の頻度で講座を開いている。 「いざ暴漢に遭った時はパニックになって声すら出ないもの。普通ならまともに対応できるはずがない」とゲラーさんは言う。 「インパクト」は、そうした息が上がり、体が硬直した興奮状態でどう身を守りながら逃げるかに全力を注ぐ。 講座を受けた大阪市立大学教授の友田尋子さん(48)は「インストラクターとは分かっていても、力いっぱい手足をつかまれると瞬間的に頭の中が真っ白になる。恐怖感が遅れて後からきた」と「インパクト」を体験した衝撃を語った。 ●声を出し自信に それでは、頭が真っ白になった状態で冷静に暴漢と戦うにはどうすればいいか。「インパクト」が重視するのは声を出すことだという。腹から声を張ることで「心が折れないようにする」ためだ。 「極限状態で体を動かし、声を上げられるようになれば、おのずと自信が生まれる」。ゲラーさんは単に技術の習得だけでなく護身術を通じて「勝てない」「逃げられない」といった女性の体格面での無力感を払拭(ふっしょく)していく過程の重要性を語る。 一方、72年にカナダのトロントで生まれた「WEN―DO」(ウェンドー)も関西で脚光を集めている。大阪市生野区や京都府宇治市などで講座を開いたのは主婦の橋本明子さん(40)だ。 「WEN―DO」とは女性の「WOMEN」と、武道の「DO」から名付けられた。「インパクト」のようにフルコンタクトの護身術ではないが、空手や合気道など武道の技を組み合わせているのが特徴だ。 橋本さんは子どものころに義父から性的虐待を受け続けてきた過去を持つ。「身を守るすべを誰も教えてくれず、無力感でいっぱいだった」と話す。友人の紹介で01年に「WEN―DO」の講座に出合い、日本に普及させるべくインストラクターになった。 「WEN―DO」は親子でも参加することができる気軽さも魅力だ。「日本には性教育はあるが、犯罪からどう逃げるかを教える教育はほとんどない」と橋本さんは指摘する。 04年の警察当局の統計によると、近畿管区の性犯罪の認知件数は関東管区に次ぐ2番目の水準。中でも大阪府の強姦(ごうかん)罪は272件で東京を上回り全国で最多となっている。 これ以外にも言葉の暴力、痴漢、家庭内暴力など女性たちが誰にも相談できずに統計に表れないままの身近な性的暴力が数えきれないほどあるという。 護身術を体験した生徒たちは「生まれて初めてイヤと声を出すことができた」「自信が生まれた」と感想を口々に語る。女性たちが危機意識を共有して「身近な暴力に対し、NOと言えなかった引っ込み思案を少しずつ変えていくための意識改革の場」(橋本さん)としての役割を担っている。 (大阪経済部 渡辺直樹)
by alfayoko2005
| 2006-09-21 13:04
| ジェンダー・セックス
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