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「Dr.北村 ただ今診察中」~安倍晋三さんへの期待と不安 (毎日 2006/09/21)
政治評論家というよりむしろ“性事”評論家である僕が、このコラムで、次期総理大臣の最有力候補と目されている安倍さんについて論じていいのか、多少の疑問がないわけではありませんが、思い返せば、いくつかの出来事に遭遇しているのです。自民党は「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」を組織し、2005年4月にホームページ上で調査を行っています。インターネット調査は最近ではめずらしいことではありませんが、調査目的には、「学校教育現場での過激な性教育・ジェンダーフリー教育の実態を調査し、党並びに政府与党の政策に反映いたします」と書かれていました。しかし、その内容には偏りがあるだけでなく、客観的事実をねじ曲げた内容も認められることから、瞬間湯沸かし器ともいわれる僕の心にメラメラと激しい炎が燃えたぎりました。 問題になったのは、「過激な性教育」に分類された次の設問です。 「ピル(WHOで10代の服用は禁止)の服用をすすめるような教育(*3年前、全国の中学3年生にピルをすすめる小冊子130万部が印刷されました)」 WHOは10代のピルの服用を禁止しているどころか、思春期の若者がピルを使用することについて制限を加える科学的根拠はないとしているのですから、設問を作成された方の見識を疑わずにはおれません。今年2月に改訂された「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」(日本産科婦人科学会編)でも、「医学的禁忌がない限り、生殖可能年齢(筆者注、初経から閉経まで)のすべての女性がピルを服用することができる」としています。 早速、日本産婦人科医会、日本助産師会など4団体が設問の修正を求める要望書を作成し、それを実態調査プロジェクトチームの座長である安倍さんに提出させていただいたのが5月24日だったのです。世間では安倍さんのことを「政界のサラブレッド」と評価していますが、人当たりがよく、僕の話にも真摯(しんし)に耳を傾けてくださる方で、瞬時にして人の心をとらえて離さない不思議な魅力を持っていました。その時、僕に贈られた(というよりもおねだりして書いてもらった)色紙には「真実一路」の言葉が書かれています。 それから3日後の5月27日、設問は「ピル(WHOで10代の服用は禁止)の服用をすすめるような教育」から「ピルの服用をすすめるような教育」に修正されていました。わずか3日の出来事です。小さき者の言葉にも耳を傾け、速やかに行動する安倍さんに心から拍手するとともに、行動する勇気さえあれば「一滴の水も、大きな岩を砕くことができる」のではないかと実感したものです。 しかし、そんな僕の評価をよそに、5月26日には自民党本部のホールでは、男女共同参画社会基本法やジェンダーを批判する総決起集会のようなものが開かれ、安倍さんが座長として責任を果たしておられる姿を後部席から拝見し、意気消沈。今年2月24日に開催された内閣委員会でも、民主党の小宮山洋子さんが、十代の人工妊娠中絶実施率が高いこと、性感染症の拡大は看過できないことを挙げ、性教育の必要性について迫ると、官房長官である安倍さんの答弁はこうでした。 「ティーンエージャーの妊娠する比率が上がっているのは事実でありますが、しかし、それならば中学生から避妊教育をするのがいいのか、あるいは中学生がそういう比率が高まって妊娠する可能性が高まっていけば、小学校の段階からやっていくのがいいのか、こういうことであって、果たしてその現状を追認することがいいのかどうかということも含めて、これは考えていかなければいけない問題ではないかというふうに考えています」 聞こえはいいが、混乱の渦中に身を置いて後始末に終始する教師や医療従事者の姿が見えてない人だなあとこれまた失望。 超タカ派ともいわれ、憲法改正や教育基本法の改正を公約に挙げ、第90代内閣総理大臣に任命されることが確実視されている安倍さん。「美しい国へ」の舵取りを任せていいのか、僕自身は期待と不安で揺れています。
by alfayoko2005
| 2006-09-23 14:47
| ジェンダー・セックス
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