カテゴリ
お知らせ トランス LGB(TIQ) HIV/AIDS 米政治 国内政治 ジェンダー・セックス バックラッシュ Books Movies Theatres TV & Radio Music Others Opinions 以前の記事
2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 検索
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
![]() 毎日新聞 2007年3月15日 東京朝刊 ◇犠牲3000人、世論に逆行し増派 イラク戦争開戦から20日で丸4年となる。ブッシュ米政権が中東民主化への試金石と位置付けたイラク民主化は宗派間抗争や武装勢力の抵抗で迷走を続けている。ブッシュ政権は1月、高まる米軍撤退論を退け増派に踏み切り、「最後の賭け」に打って出たが、米兵の死者は3000人を超え、世論のイラク政策批判は強まるばかりだ。08年大統領選を控え、今年のイラク情勢はブッシュ政権の命運を決する正念場となる。 「傾向を見極めるのは時期尚早だが、勇気付けられる結果もいくつか出ている」。イラク駐留米軍に着任して約1カ月のぺトレアス司令官は8日、2月上旬に着手した米軍増派とイラク治安部隊による治安強化作戦の成果をアピールした。 具体的には、▽バグダッドでの宗派間抗争の減少▽96カ所の兵器庫の発見▽自動車爆弾製造工場2カ所の破壊▽国際テロ組織アルカイダ中堅幹部を含む数百人の過激派拘束や殺害--などが成果。「状況はなお厳しいが、暴力を断ち切るため努力を尽くす」と強調した。 重点の一つは、兵器庫の発見や捜索。兵器の一掃を目指すことで根っこを断ち切るためだ。米陸軍によると、バグダッドでは大規模な掃討作戦で爆弾攻撃などが2月末までに4週間連続で減少した。 こうした進展の一方、治安の悪化はバグダッドからすそ野を広げ、米軍もこれへの対応を迫られている。ぺトレアス司令官はバグダッドへとつながる周辺の要衝を含む「バグダッド・ベルト(地帯)」の治安確保の必要性を指摘する。また、スンニ派の爆弾攻撃が依然続く一方、シーア派民兵が地下にもぐったとの情報もあり、予断を許さない状況が続いている。 米軍は増派分の配置が6月初旬に完了、陣形が整う。しかし、ブッシュ政権は早くも当初の増派計画を拡大し、2万1500人に加えて戦闘支援部隊など4700人を追加派兵することを発表した。計画の練り直しを迫られた形で、場当たり的な印象もぬぐえない。 ブッシュ政権の米軍増派による治安安定化計画は、昨年11月の中間選挙で議会多数派を奪取した民主党の強い反発を招いた。民主党はイラク政策について「明確な方向転換」となる米軍撤退を掲げ、08年8月末までの撤退完了を求めている。 米紙ワシントン・ポストとABCテレビが2月下旬に実施した世論調査によると、ブッシュ政権と民主党のどちらのイラク政策を支持するかの設問ではブッシュ政権34%に対し民主党が54%。撤退支持派は現状維持派を上回った。 米国防総省の集計によると、03年3月の開戦からの米兵死者数は13日現在3192人。最大の有志連合国の英国も年内の段階的撤退を発表、隊列の先細りは隠しようもない。 米陸軍首脳部は今夏までの成果を期待するが、米紙ロサンゼルス・タイムズは12日、増派計画が失敗した場合に備え、国防総省が段階的撤退計画の立案に着手したと報道した。ホワイトハウスも「万が一の場合に備えた計画作成も進んでいる」と認めており、ブッシュ大統領は剣が峰に立たされている。【ワシントン及川正也】 ◇宗派間抗争、女性の権利を抑圧 バグダッドでは駐留米軍とイラク治安部隊による治安回復作戦が進行中だ。しかし、声高に叫ばれる作戦の「成果」はバグダッド市民の耳にはうつろに響く。暴力への恐怖、イスラム教シーア派、スンニ派双方の原理主義勢力の影響力は市民の生活のひだにしみ込み、特に女性の権利を抑圧している。 「どうして学生だという理由だけで狙われるの」。バグダッド大学2年の女子学生、モナさん(20)=仮名=がバグダッド東部の自宅で毎日新聞のイラク人助手に訴えた。モナさんは新学期が始まって間もない昨年10月、大学通学をあきらめた。それが「自殺行為」だと悟らせる事件に巻き込まれたからだ。 事件が起きたのは10月1日午前8時過ぎ。モナさんら女子大生4人を乗せたタクシーが3人組の武装した男に停車させられた。男たちは運転手を車外に引きずり出し、射殺した。「大学に行こうとする女は殺される」。男の一人がモナさんらにすごんだ。「シーア派が牛耳る大学に通うことは許されない」と主張するスンニ派武装勢力による犯行とみられる。 モナさんは「状況は悪くなるばかり」と戦後の4年間を振り返る。モナさん一家はシーア派だが、父親は旧フセイン政権党バース党の幹部。03年4月の旧フセイン政権崩壊後、シーア派によるバース党関係者への報復を恐れ、まず父親が住みなれたバグダッド東部から旧バース党関係者の多い西部へと移った。 父親を除く家族は同市東部にとどまったが、当時高校生だったモナさんは頭髪を隠すヘジャブ(スカーフ)の着用を強要されるなど、宗教色の濃いシーア派組織の影響が増す一方だった。その後、家族は父親のいる同市西部に移り住んだが、昨年11月、「シーア派が住む場所はない」とスンニ派武装勢力に退去を迫られ、再び東部への転居を余儀なくされた。 女性であるという理由で抑圧されてきた4年間。モナさんは「私たち家族に居場所はない。私はただの学生だったのに、どうしてこんな目に遭わなければいけないのか」と話す。 バグダッドの大学ではシーア派民兵組織に加わった男子学生らが女子学生にヘジャブやロングスカートの着用を強要するなど宗教的価値観の押し付けが横行。これに対しスンニ派過激勢力が大学をテロの標的とする。 治安上の理由で大学生の出席率は3割程度。国連とイラク政府の推計によると、12歳以下の児童約60万人が学校に通っていない。うち74%が女児とされ、女性の識字率低下が懸念され始めている。 イラクはかつて最も女性が社会進出しているアラブ国家とされてきた。イラク連邦議会の女性議員、ハファフジ氏(シーア派)は「社会全体における女性の地位は危機的な状況にある」と警鐘を鳴らしている。【カイロ高橋宗男】 ============== ◆イラク開戦後の主な動き◆ 03・ 3・20 イラク戦争開戦 4・ 9 フセイン政権崩壊 5・ 1 ブッシュ米大統領が大規模戦闘終結を宣言 12・13 フセイン元大統領拘束 04・11・ 3 ブッシュ米大統領再選 05・12・14 ブッシュ米大統領が大量破壊兵器の情報の誤り認める 12・15 イラク連邦議会選挙 06・ 4・22 マリキ氏を首相に指名 5・20 イラク正式政府発足 6・ 7 「イラクの聖戦アルカイダ組織」のザルカウィ容疑者殺害 11・ 5 フセイン元大統領に死刑判決 11・ 7 米中間選挙で共和党敗北 12・ 6 「イラク研究グループ」がブッシュ米大統領に提言 12・30 フセイン元大統領の死刑執行 07・ 1・10 ブッシュ米大統領がイラク新政策発表 3・10 バグダッドでイラク安定化国際会議開催 毎日新聞 2007年3月15日 東京朝刊
by alfayoko2005
| 2007-03-17 07:55
| ジェンダー・セックス
|
ファン申請 |
||