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米、イラク開戦4年 F・フクヤマ氏に聞く (東京 2007/03/20)
開戦四年を迎えるイラク戦争をはじめ、米ブッシュ政権の外交政策に決定的な影響を与えた思想集団「ネオコン(新保守主義派)」。その代表的論客で知られた米政治学者フランシス・フクヤマ氏(54)が、昨年の新著「アメリカの終わり」で従来のネオコン路線と決別、政権批判に転じた。イラク戦争を機に米国は「岐路に立っている」と警告する同氏に、米国がこの戦争から学ぶべき教訓などを聞いた。 (ニューヨーク支局・石川保典) ――米国を中心に据えるネオコンの“世界観”とイラク戦争は、どのようにして結びついたか。 「米国が他国に積極的に介入することで民主主義を世界に広める-。今やネオコン思想の中核とみなされるこの考え方は、一九九〇年代、冷戦後の唯一の超大国として『国家の偉大さ』を追求する方向に米外交政策を転換すべきだ、とネオコンの一部知識人が主張する中で生まれた」 「これが、軍事力の行使を過度に強調する外交の正当化に使われ、米中枢同時テロ後に、テロと核の脅威を結びつけたブッシュ政権によって実行に移されてしまった」 ――それは、ネオコン本来の考え方とは違っていたのか。 「本来のネオコン思想は、民主主義や人権を重視し、米国の力をそうした道徳目的に使うことができると信じる半面で、(他国の独裁政権打倒など)大胆な社会改造は『思わぬ弊害をもたらす』との視点も一貫して併せ持っていた。政権がこの原則を考慮していれば、イラク戦争は避けられただろう」 ――イラク戦争で最大の過ちは何か。 「テロ集団が核などの大量破壊兵器を持てば、封じ込めや抑止といった通常の外交戦略ではもう通用しない。その意味でテロ集団に対する『先制攻撃』は理にかなっている。だが、イラクは国家であり、抑止可能だ。軍事介入を行うほどの危険性がないのに、テロ集団の脅威と同一視して処方箋(せん)を誤った」 ――フセイン旧政権を倒し選挙を行えば、イラクは民主化できると信じていたのか。 「ブッシュ政権は単純にそう信じていたようだ。政権内のネオコンには、ほとんど流血もなく共産主義から民主国家に移行した東欧諸国の歴史が心理的な背景にあったと思う。どの社会にも民主主義を渇望する欲求が普遍的に存在し、力で一押しすれば、抑圧されていた願望が表に現れてくると信じていたのだ」 ――戦争の教訓は。 「五つほど挙げられる。第一に中東での軍事力行使の難しさ。第二に核拡散防止には先制攻撃は適さないこと。米国の攻撃を恐れるイランや北朝鮮に核開発を促進させてしまった。第三は、核不拡散問題では北朝鮮の六カ国協議のような多国間協調が重要という点だ」 「第四点として、米国は外交政策にもはや民主化推進の戦略を用いるべきではない。特に中東では米国は偽善者と思われており、民主化を遅らせる逆効果しか生まない。市民団体を支援するなど従来の方法に戻った方がいい。最後に、米国は野心的な外交政策を捨て去るべきだ。イラクで招いた悲惨な結果を直視すれば自明の理だ」 ――撤退すれば内戦が激化しないか。 「イラク撤退が内戦を招いても(旧アフガニスタン政権タリバンのような)聖戦国家に至るなどの悲惨な結末には多分ならない。ある時点で戦いに疲れ果て、自ら解決策を見つけるはずだから」 ――米国は失った信頼を取り戻せるのか。 「とても困難であり、数年はかかる。多国間主義に戻り、国際機関などを通じて他国と協働することは処方箋の一つになる。軍事力ではなく、他国の経済発展を支援して世界秩序を構築するなど『ソフトパワー』を重視すべきだ」 ■イラク復興支援継続の考え示す 安倍首相 安倍晋三首相は十九日夜、イラク開戦から二十日で四年を迎えるにあたり「宗派間の対決が激化していることを大変憂慮している。一日も早く安定した平和なイラクになることを望みたい。日本も国際社会とともに貢献していかないといけない」と述べ、自衛隊による復興支援活動を継続していく考えを示した。 首相は「復興(支援)を国際社会が一致協力して進めていくことが、より安全な中東地域、世界につながる」と強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。 フランシス・フクヤマ氏 1952年、米シカゴ生まれ。米ジョンズ・ホプキンス大教授(政治経済学)。80年代には米国務省に2度勤務した。89年の“ベルリンの壁”崩壊直前にネオコン季刊誌に発表した論文を上梓(じょうし)した「歴史の終わり」がベストセラーに。両親は日本人と日系2世だが、日本語は話せない。
by alfayoko2005
| 2007-03-20 13:15
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